投資信託の実務|FP1級Wiki

ドルコスト平均法や、収益分配金の計算が問題になりやすいです。なんだかややこしくなるところですのでしっかり理解しましょう。

       

投資信託のコスト

投資信託にはいろいろと費用がかかります。

購入時

販売会社(銀行や証券会社など)から投資信託を購入する際には通常、購入時手数料を直接支払う。ファンドの種類や販売会社によっては購入時手数料のかからないノーロード型もある。また、ファンドが同じでも販売会社の違いで購入時手数料が異なることもある。

保有期間中

これらはすべて信託財産から日々徴収される(間接的)。

  • 運用管理費用(信託報酬):投資信託委託会社、受託会社、販売会社の3者で分けあう、投信の運用管理費用。同一銘柄なら販売会社による手数料の差はない。
  • 売買委託手数料:投資信託が運用の中で株式などを売買する際の費用。状況により都度発生するため事前にいくらかは示されない。
  • 監査費用:投資信託が決算を受けるごとに発生する費用。監査法人に支払われる。
       

換金時

投資信託の種類によっては換金時に、その手数料とは別に信託財産留保額が差し引かれる場合がある。投資信託を解約する際には投資中の資産を売却する必要があり、持ち続けている投資家にとってはそこでかかる費用は負担になります。それで、不公平にならないように徴収するわけです。運用会社などが貰うのではなく信託財産の中に留保されるため、手数料ではない。

運用手法によるコスト差

コストパッシブ運用アクティブ運用
購入時手数料
運用管理費用(信託報酬)
一般にアクティブ運用に比べて安い
(ベンチマーク連動だからね)
一般にパッシブ運用に比べて高い
(ベンチマークを上回りたいからね)
       

投資信託のディスクロージャー(情報開示)

目論見書(投資信託説明書)

目論見書は、交付目論見書と請求目論見書の2種類存在する。いずれも投資信託委託会社によって作成される。目論見書にはファンドの概要や投資方針、投資のリスク、運用実績や手数料等の記載がある。

交付目論見書

投資家がファンドを購入する際にあらかじめ、または購入と同時に交付しなければならない。基本的な情報が記載されている。

請求目論見書

投資家から請求があった時に直ちに交付しなければならない。ファンドの沿革や経理状況といった追加的な詳細情報が記載されている。

       

運用報告書

購入した投資信託がどうなっているかがわかる書類。交付運用報告書と運用報告書(全体版)の2種類ある。決算期ごとに作成が義務付けられているが、毎月決算型などの6ヶ月未満のものについては6ヶ月ごとの作成・交付でよい。

MRFについては交付運用報告書の作成交付義務が免除されている。

交付運用報告書

投資信託委託会社は、ファンドの決算期ごとに交付運用報告書を作成し、販売会社を通じて投資家に交付するのが義務となっている(電磁的方法でも可)。重要事項(運用経過・今後の運用方針・お知らせ・当該投資信託の内容・代表的な資産クラスとの騰落率の比較・当該投資信託のデータ等)だけを記載した内容になっている。

運用報告書(全体版)

運用報告書(全体版)は詳細な事項が記載されている。こちらはホームページに記載するなど電子的方法でも交付したものとみなされ、利用者は容易に閲覧できる。ただし、交付の請求があった場合はそれに応じなければならない。

トータルリターン通知制度

販売会社は原則として投資信託のトータルリターンを年1回以上通知することが義務付けられている。

トータルリターン=評価金額+累計受取分配金額+累計売付金額-累計買付金額

購入から現在までの追加購入や分配金なども含めた全投資期間のトータルでの損益を確認することができる。

       

追加型株式投資信託の個別元本方式による収益分配金に対する課税

個別元本方式とは、価格が変動する投資信託に対して、預貯金で言うところの元本を定めるために、投資家ごと個別に、購入時の基準価額を元本として、それを元に課税しましょうというもの。

例えば、一回目の購入は基準価額10,000円で100口買いました。この時点では個別元本は10,000円です。 2回目に9,500円で100口買いました。すると、両方の平均になるので総口数200口の個別元本は9,750円となるわけです。

収益分配金に対する課税

さて、収益分配金に対する課税のお話です。
あるZ投資信託を購入している2人がいます。

個別元本が現在9,000円のAさんと、現在10,200円のBさん。

Z投資信託は基準価額10,500円でしたが、収益分配金を500円支払い、分配後基準価額が10,000円になりました。

Aさんについては、分配後の基準価額が個別元本よりも高いので、個別元本は分配後もそのまま9,000円。
収益分配金500円についてはすべて普通分配金となり課税対象となります。

Bさんの場合は分配後基準価額が個別元本を割ります。
すると300円は普通分配金として課税されますが、200円分は元本払戻金(特別分配金)となり非課税になります。

その後、個別元本は元本から払い戻した200円分下がり、分配後の個別元本は10,000円となります。

安く買えている人のほうが得しているワケですから税金は多く取られるということでしょうかね。

       

ドルコスト平均法

価格が変動する投資信託であっても定期的に同額ずつ購入する投資手法。つみたてNISAがこれにあたる。
たとえば毎月1万円ずつ購入する場合、値段が高いときは購入口数を減らし、安いときには購入口数を増やす。
そうすることで、安い時に多く買えることになるため購入コストを抑えることができるメリットがある。

助手のウィキ子

※ドルコスト平均法からの出題は、 月々購入した場合に何口買えたか。
もしくは、平均単価いくらだったか。
というような問題が出ることがあります!

外部リンク:金融庁

       

投資信託の実務に関する過去問を解いてみましょう。2020年9月試験 学科 問18

投資信託のディスクロージャーの一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 投資信託委託会社が作成する目論見書には、投資信託の販売後に投資者に対して遅滞なく交付しなければならない交付目論見書と、投資者から交付の請求があった場合に直ちに交付しなければならない請求目論見書がある。
  2. 交付運用報告書には、運用経過の説明や今後の運用方針などのほか、一定の期間における当該投資信託の騰落率と代表的な資産クラスの騰落率を比較して記載することとされている。
  3. 投資信託委託会社は、運用報告書(全体版)について、投資信託約款に定められた電磁的方法により提供している場合は、投資者から交付の請求があったとしても、その交付は要しない。
  4. 販売会社は、投資信託の投資者に対し、原則として、トータルリターンを6カ月ごとに通知することが義務付けられている。

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解答

Wiki技能士

1は販売後では手遅れです。
3は投資者のお願いを断ってるので営業的にもうアウトです。
4は年1回です。

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