店頭デリバティブ取引|FP1級Wiki

金利スワップ、通貨スワップ、金利オプションは店頭取引(相対取引)のデリバティブ取引になります。
カタカナが多くて覚えにくいですがしっかり覚えましょう。

スワップ取引

現在価値が等価とされる2つのキャッシュフロー(金融取引から発生する現在から将来までの現金の受払いの事)をお互いの合意した条件のもと、交換する取引で、店頭取引で行われる店頭デリバティブである。その代表として金利スワップと通貨スワップがある。

金利スワップ

同種通貨の異種金利を交換する手法で、元本の交換はなく金利のみを一定期間交換する。あらかじめ決められた契約に従って取引を行う。変動金利と固定金利を交換するのが代表的な取引。金利スワップを利用することにより金利変動リスクを回避したり、有利な資金調達の交換を行うことができる。

例えば、企業融資の返済を固定金利で受け取っている金融機関Aがあるとする。Aが今後の金利上昇リスクに備えたい場合、金融機関Bと新たに固定金利と変動金利とで金利スワップ契約を実行すれば、金利上昇リスクに備えることができる。

ちなみに固定金利は将来のキャッシュフローが確定しているため(なんせ固定だからね)、固定金利同士の金利スワップは基本存在しない。

通貨スワップ

異なる通貨の元利金を交換する手法。金利スワップと異なり、こちらは元本部分の交換もある。元本交換をせずに金利部分だけの通貨スワップもあり、こちらはクーポンスワップと呼ばれている。リバースデュアルカレンシー債(円ー外ー円)などの円ヘッジに使われている。いずれもあらかじめ決められた契約に従って取引を行う。

例えば日本のT自動車(輸出業者)が米国の販売店に自動車を輸出するとする。販売店は当然米ドルで代金を支払ってくる。自動車のような大きな取引は契約時期と輸出時期との時間差で為替が変動する恐れがある。そこでT自動車は日本の輸入業者Bと通貨スワップ契約を結んでおく。その後、T自動車は輸入業者Bに売り上げの米ドルを支払い、BはT自動車にあらかじめ契約した為替レートで円を支払う。これによりT自動車はドル安になった場合の為替変動リスクをヘッジすることができる。

エクイティスワップ

エクイティとは株式の事。株式のリターンと金利を交換する手法。交換相手のキャッシュフローのどちらか一方を株式にしたもの全般を指す。
種類によって、株価指数を交換するインデックススワップ、複数の株式を交換するバスケットスワップ、個別株をスワップする個別株スワップがある。

金利オプション

金利に対するオプションのことで、将来のある一定の金利で取引を行う権利を売買する手法。
取引所取引は金利先物の事を指しますが、通常金利オプションとは店頭取引(相対取引)の方で、
中にはキャップフロアスワップションなどがある。

キャップ

短期金利のコールオプション。市場の実勢金利が契約したキャップ(上限金利)を超えた場合に、
キャップの買手は売手から超えた分の金利差を受け取ることができる取引で、
キャップの買手にとっては金利上昇リスクをヘッジすることができる取引。

売手はプレミアムをいただいて、金利差が出れば逆に支払う訳です。

キャップ(帽子)なので上限ってことですね。

フロア

短期金利のプットオプション。市場の実勢金利が契約したフロア(下限金利)を下回った場合に、
フロアの買手は売手から下回った分の金利差を受け取ることができる取引で、
フロアの買手にとっては金利低下リスクをヘッジすることができる取引。

売手はプレミアムをいただいて、金利差が出れば逆に支払う訳です。

フロア(床)なので下限ってことですね。

カラー取引

キャップの買いとフロアの売りの組み合わせ(カラーの買い)、
もしくはキャップの売りとフロアの買いの組み合わせ(カラーの売り)を取り入れた手法。

Wiki技能士

キャップの買いとフロアの売りの組み合わせ(カラーの買い)、
もしくはキャップの売りとフロアの買いの組み合わせ(カラーの売り)を取り入れた手法。

なんだかややこしいのでカラーの買いで説明します。

カラーの買いの場合、金利上昇のメリットはキャップの買いで享受できるが、
フロアの売りとなると金利低下の場合は金利差を逆に払う事になります。
なんでこんなこと?と思いますが、
そこにはフロアの売りのプレミアム(オプション料)が存在しますよね?。
どういう事かというと、金利低下のヘッジを捨てることで逆にプレミアムを得て、
その分キャップを安く買える訳です。カラーの売りはその逆ということですね。

キャップ(帽子)にフロア(床)とかいうからカラーは襟か?!と思ったら金利幅の事なんだそうですね。
なんのこっちゃ。

スワップション

スワップ取引自体を原資産としたオプション取引がスワップション。合体させてスワップション。造語ですね。

原資産は金利スワップ(異種金利交換)がほとんど。変動金利を支払い固定金利を受け取る権利の売買をするレシーバーズスワップション(コールスワップション)、変動金利を受けて固定金利を支払う権利を売買するペイヤーズスワップション(プットスワップション)とがある。

金利スワップとオプション取引の合体商品ですので、オプション料金は発生しますが、例えば金利下降を予測したレシーバーズスワップションの買手が、金利上昇により変動金利払ってらんねーよーってなった場合は権利放棄することが可能になるわけです。

Wiki技能士

私は、スワップションというと連れションを思い出します。
連れションで昔友人が放尿曲線同士をクロスさせたものを
「クロスション」と名付けていたのですが、
あれはもしかしたらスワップションだったのではないかと。
私には、そう思えてならないのです。

通貨オプション

通貨オプションは、通貨をあらかじめ定められた期間または期日に、
あらかじめ定められた権利行使価格で、買う権利(コールオプション)や売る権利(プットオプション)を売買する手法のこと。
金利先物みたいな感じですが、オプションですからプレミアムが必要ですし、権利を行使するも放棄するも自由です。

バリアオプション

バリアオプションとは、ある一定期間内に原資産の価格がある水準(バリア)に達することで権利が発生したり権利が消滅したりするオプション。
エキゾチックオプション(風変わりなオプション)の一種。
バリアオプションにはノックインオプションやノックアウトオプション等があり、
いずれも条件が成立しないと権利が発生しないため通常のオプションよりプレミアムが安い
バリアオプションは海外通貨や株価関連の値動きの激しい商品に設定されることが多い。

エキゾチックオプションで何かネタ書こうと思ったんですが、郷ひろみさんしか思い浮かばなかったのでやめておきます。

ノックインオプション

原資産価格が一定のバリアに達しなければ無効になり、バリアに達することでオプションが有効となるタイプのオプション。

ノックアウトオプション

原資産価格が一定のバリアに達すると無効になるオプション。

レンジフォワード

同一の権利行使期限&同金額のコールオプションとプットオプションを組み合わせ、対象商品の取引レンジ(取引価格の幅)を確定させる手法。
コールとプットの全く同じ期限と金額の取引なのでプレミアムが相殺されてゼロになる。ゼロコストオプションとも呼ばれる。

外部リンク:金融庁

それでは過去問を解いてみましょう。2019年1月試験 学科 問20

オプション取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. ITM(イン・ザ・マネー)は、コール・オプションの場合は原資産価格が権利行使価格を上回っている状態をいい、プット・オプションの場合は原資産価格が権利行使価格を下回っている状態をいう。
  2. キャップは、キャップの買い手が売り手に対してオプション料を支払うことにより、原資産である金利があらかじめ設定した金利を上回った場合に、その差額を受け取ることができる取引である。
  3. カラーは、キャップの買いとフロアの買いを組み合わせた取引であり、カラーの買い手は売り手に対してオプション料を支払うことにより、原資産である金利があらかじめ設定した変動幅の範囲外となった場合に、その差額を受け取ることができる。
  4. ノックイン・オプションやノックアウト・オプションなどのバリア・オプションは、バリア条件のないオプションと比較すると、他の条件が同一である場合、一般に、オプション料は低くなる。

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解答

Wiki技能士

店頭デリバティブ取引の問題です。
カラーはキャップの売りとフロアの買い、
もしくは、
キャップの買いとフロアの売りを組み合わせます。
どっちも買いで組み合わせているので3は間違いです。

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