2022年9月実施FP1級学科試験分析(応用編)

はじめに

2022年9月実施のFP1級学科試験の応用編を振り返っていきます。
基礎編まだ見てない方はこちら→2022年9月実施FP1級学科試験分析(基礎編)

基本的な話ですが、応用編は5部構成。B分野リスク管理を除き(B分野かわいそう)
以下の構成で出題されます。

第1問 Aライフプランニング
第2問 C金融資産運用
第3問 Dタックスプランニング
第4問 E不動産
第5問 F相続・事業承継

キン肉マンの王位継承戦みたいで燃える展開ですが、
実際は1人で5回戦うのでFP1級試験は辛いです。
あ、でもキン肉マンも1人で何回も戦ってた気がする。

さて今回の応用編はどんな超人が出てくるのか。
マリポーサ戦なら先鋒はペンチマンでしたか?(いいかげん)

それでは確認していきましょう。

また今回も試験問題を片手にご覧ください。

分析の便宜上、配点予想もしていますが、
私の配点予想は前回までの試験から想像した独断のものです。
他のサイトさんを参考にもせずに決めています。
みなさんは他のサイトさんのも参考にして予測してくださいね♪
そして急いで作っているので間違っている点があったら教えてくださいね(*´Д`)

また、ここは当てて欲しい!という問題は確定点として計算し、難易度の指標にしています。
確定点の評価基準はFPWikiで学習しているFP2級保持者を想定しています。

それではいってみましょう。

応用編解説

第1問:A分野

問51

まずは穴埋め問題からスタート。ここは1問1点の計4点と予想。ここは①は細かい論点なので間違っても可。確定点3点とします。

今回在職老齢年金が改正されたので、そこを突いてきましたね。ただ改正自体、わかりやすくなる改正なので攻略には問題なし。
 答:①1961(年) ②470,000円 ③標準賞与額 ④30,000円
①:これなぜ急に模範解答が西暦なのか。省庁のサイトも公式テキストも元号表記なのに・・・。
  なので元号表記で書いた方も正解になっていると思います。ちなみに昭和36年です。
②:ここが改正点。以前は支給停止が始まる収入額は2段階でしたが、このたび47万円の一本になりました。
③:ボーナスを月額に割る形になるので標準賞与額を12で除します。学歴が無い私は加だの除だのと書かれるのが苦手です。
④:この計算も簡単な式。まず支給停止額を求めます。
  (59万-47万)÷2=6万
  支給される基本月額から支給停止額を引きます。
  9万-6万=30,000円 
  受給額30,000円です。
参考ページ:07.公的年金制度[全体像]
参考ページ:09.在職老齢年金(老齢厚生年金)

問52

年金試算です。今回は死なないケース。普通に定年退職したケースですね。
オーソドックスな形式で、今回受けた人はラッキーだったと思います。
私の配点予想はそれぞれ式が2点、答えが3点の計10点と予想します。
ですが、もしかしたら厚生年金額のほうが配点ウエイトが高い可能性はありますね。
ノーミスでいって欲しいところですが、イージーミスがあったとしても7点は欲しいところ。
確定点は10点と言ってもいいくらいですが7点とします。

答 ①730,808(円) ②1,254,847(円)

①老齢基礎年金

今回特に注意点はありません。FPWikiの応用編対策をご利用でここを落としている人がいたら・・・少し悲しいレベル(>_<)
まず、基礎年金の最大額は777,800円。ちゃんと覚えてますかー?
そして基礎年金の最大月は480月。これは20歳から60歳までの期間です。
Aさんの場合、大学時代(29月)は払っていないとの事ですから

777,800円×((480-29)÷480)=730,808円(円未満四捨五入)となります。

以上で終了ですが、ここで引っ掛かった人がいたとするなら、Aさんが65歳まで現役だったことでしょうか。
「65歳まで働いてたんだから任意加入とかしたかも・・・?」とか余計な事を考えてしまった人はハズしたかもしれません。
設例には「任意加入した場合」とか一切そんなことは書いてないのです。そのまま計算した人の勝ちとなります。

ちなみに混み入った話をすれば、厚生年金加入者は60歳以後は国民年金の不足月数分を支払う事は出来ません。厚生年金保険料のみを支払うことになります。自営業者さんとかで「年金満額いかねーよー(´;ω;`)」とお困りの方のためにあると思っておきましょう。

老齢厚生年金

これももう王道問題。模範解答そのままです。旧制度と新制度をそれぞれ計算して足し合わせます。

300,000円×7.125/1,000×194月+500,000円×5,481/1,000×271月=1,157,351円(円未満四捨五入)

この問題の間違いポイントは経過的加算ですね。ですがこれも定番です。式の□□□には基礎年金の満額(777,800円)が入ります。
ここで最初にすることは式の「被保険者期間の月数」(厚生年金の)と「1961年4月以後で20歳以上60歳未満の厚生年金保険の被保険者期間の月数」、この2つを求める事です。被保険者期間の月数はそのままです。194+271=465月
1961年以後のほうは、先ほどの基礎年金の時の451月から国民年金だけ払ってた期間を引けばよいのですから、資料を見ましょう。
451-3年9ヵ月(45月)=405月になります。あとはこれを式に当てはめます。

1621円×465月-777,800円×405/480=97,496円(円未満四捨五入)

これが経過的加算です。最後に年金と足し合わせます。

1,157,351円+97,496円=1,254,847円

加給年金額も示されています。これはそもそも年金が夫婦の片方からしか出ない時期って大変だから助けないとねって意味合いのものです。
そのため、支給条件のひとつに「配偶者が65歳未満であること」というのがあります。今回の配偶者は年上なので対象外となります。足した方はアウトです。足しちゃった方も式で部分点もらえる可能性はありますので希望は捨てずに!!

参考ページ:01.年金試算

問53

ここも穴埋めになりますね。全部で6つ。②だけ3択になっています。易問は③⑤。普通問は①②④。難問は⑥ですね。
配点は1問1点の計6点と予想。確定点は少し低く見積もって2点

①180(万円) ②イ ③20(日) ④30(万円) ⑤14(日) ⑥85(万円)

①:これいきなりここ聞いてくるかって感じで。130万の壁?!って思いがちですが60歳以上の同居は180万円&相手の収入の2分の1未満ですね。
②:公的年金や失業等給付が収入に認められるか。これは当テキスト対象外でした。でしたが、公的年金は一定以上で税金掛かるぐらいですからね。後期高齢者の保険料とかも掛かるしね。常識的な知識で当てられる問題ではあります。失業給付は働く意思があるけど働けない人に支給するものなのでそもそも扶養の概念と違うってことらしいですね。一定額以上支給されると被扶養者になれません。ただし失業給付は非課税です。
③:ここは口酸っぱくいってますが健保は20日、国保は14日です。
④:任意継続被保険者の標準報酬月額の上限は30万円です。あまり出てこないから忘れやすいところかも。
⑤:ここも口酸っぱくいってますが国保は14日、健保は20日です。
⑥:これは難問です。R4年に3万円の引き上げがあり、旬な改正のようなのですが私もノーマーク。今後も出題される可能性は限りなく低いと思われます。捨て問で良しとします。一応厚労省のリンク貼っておきます。厚労省HPへ

参考ページ:03.健保・国保・後期高齢者制度

第1問のまとめ

今回の第1問も前回に引き続き超サービスコーナーでした。問53の⑥以外はムリゲーはありませんでした。
確定12点です('ω')ノ

第2問:金融資産運用

問54

穴埋めなので1問1点の計6点予想。①②は当てないといけない易問。③は難問。④⑤⑥はわからずとも当てずっぽうでも1問くらいは当てられるかなとは思いますが、確定点は2点とします。

答 ①3(営業日) ②成行(注文) ③ザラバ(ザラ場) ④100(円) ⑤104(円) ⑥2(営業日)

①:ここは基本的な問題。3営業日目ですね。09.株式投資
②:指値と成行ですね。これも基本。
③:ザラバ方式?!なんですかこれは。突然なんてこと言うんですか。ラリホーくらった時に使うやつですか。それともリベ大生ならザラバとか普通に使うんですか?当時、午後試験で疲れ果てた受験生の目が覚めたであろうザメハ問題。投資に詳しい方なら簡単でしょうが難問認定です。
④と⑤:はい、これはザメハが何か解っている方なら簡単に解けた問題。でも時間が余っている方で、後からじっくり読めた方は当てられたかも。継続して個別に行うというのは文中にありますからね。では解説していきましょう。
 甲株を指値103円で300株買いたい方がいます。そして100株をそれぞれの指値で売りたい方が3人いると思いましょう。
そしてザメハは価格優先、そして時間優先に従いますが、時間優先とは同じ値段で売りに出されたときには早く出した人のほうを買うというルールなので今回は考えないようにしましょう。価格優先のみで解きます。
まず❸の人が最安値の100円で売りに出してます。安い。これを100株全部買いますね。④は100円です。あと200株買いたい。
次に安いのは❶の人が出した102円です。これも103円より安い。買いましょう。100株全部買います。□□□のところは102が入ります。
さぁ、あと100株買いたい。
ところが❷の人が売りに出した指値は104円です。103円より高い。これは約定されません。買注文100株はそのまま残る事になります。よって⑤は104円です。
⑥:これもまぁまぁレア問。一応当テキストカバー内です。2営業日前までに購入しないとです。

参考ページ:09.株式投資

問55

X社とY社ではなく今回W社を登場させたことが一番の引っ掛け(嘘です)。
ROEとROAを求めるという財務データ分析の一番オーソドックスな問題なのですが、なんか言い方変えてきてるという嫌な問題。
自己資本当期純利益率はROEと同義です。「当期純」入ってますが同義です。
使用総資本事業利益率はそのままROAです。
式についての詳しいものは応用編対策をご覧ください。それにあてはめると・・・・。

ROE=90,000百万円÷(1,300,000百万円-1,500百万円-63,500百万円)×100=7.29%

ROA=(105,000百万円+1,500百万円+1,000百万円)÷4,750,000百万円=2.26%

式が各2点、答え各3点の合計10点とします。ここは当てましょう。確定点10点

参考ページ:03.財務データ分析

問56

ここは4問。各1問の合計4点としました。ここは当てるのが難しかったですねぇ~。確定1点としましょう。

答 ①標準偏差 ②0.68 ③0.19 ④投資信託Y

①:トラッキングエラーの問題が出ました。トラッキングエラーとはベンチマークを超えた部分の収益率のバラつき(標準偏差)のことを言います。ここをピンポイントで問題に出してきたのは珍しいんじゃないでしょうか。穴埋めの仕方も前後が読みにくい出し方をしているのでハズしても仕方ないと思います。
②:シャープレシオを求める問題。これも珍しいですかね。式は以下のとおり。
 シャープレシオ=(ポートフォリオの収益率-無リスク資産利子率)÷ポートフォリオの収益率の標準偏差
 問題用紙7Pの表に当てはめると、
 ポートフォリオの収益率=実績収益率=14.50%
 無リスク資産利子率=安全資産=1.00%
 ポートフォリオの収益率の標準偏差=実績収益率の標準偏差=20.00%
 正解は0.68となります。
③:インフォメーションレシオを求める問題。これも珍しい。式は以下のとおり。投資信託Zで当てはめます。
 インフォメーションレシオ=(ポートフォリオの収益率-ベンチマークの収益率)÷トラッキングエラー
 ポートフォリオの収益率とは投資信託Zの実績収益率のことであり、ベンチマークの収益率とは日経平均株価をベンチマークとしている投資信託なのでつまり日経平均株価の実績収益率となります。11.50-10.00=1.50
トラッキングエラーは日経平均株価に対するトラッキングエラーの値です。1.50÷8.00=0.19
④:③でZの答えは出ているのでYの答えも出してみます。
  (14.50-10.00)÷12.00=0.375
  Yのほうが値が大きくなります。値が大きいほうがアクティブ運用に適しています。YもZもどちらもアクティブ運用の投信なので効率的だったのはYという事です。難しいね。

参考ページ:22.ポートフォリオのパフォーマンス分析

第2問のまとめ

問56がいつもと趣向を変えてきているので苦戦するところかと思います。確定13点です。問55の計算問題は落とせないところ。

第3問:タックスプランニング

問57

さぁ今回もやってきました略式別表四。応用編対策ページでたくさん勉強していただけてますでしょうか?

答 ①2,500,000(円) ②1,200,000(円) ③1,600,000(円) ④100,000(円) ⑤91,890(円) ⑥9,000,000(円)

対策ページを見てやってもらえればOKなのでほぼ解説不要です。
ただ、今回も減損損失が出ちゃいましたので、前回しっかり対策しなかった人は辛かったですね。

問57は1問1点で、⑥のみ2点の計7点としてみました。当サイト利用者は全部当てて欲しいなぁ。確定7点です!

①は見積納税額をそのままです。

②は事前確定届出給与に関する届出書を出していなければ、「差額分×月数」が不算入として加算です。
 (1,100,000-900,000)×6カ月=1,200,000円

③交際費の損金不算入。
まず5千円以下の飲食300千円を引きます。
9,900,000-300,000=9,600,000円
交際費の損金不算入は2パターンあり、お得な方を選べます。今回は800万控除パターンとなります。
9,600,000ー8,000,000=1,600,000円。

④は配当金500,000円の20%を計上します。100,000円。

⑤源泉徴収されている所得税と復興特別所得税がこれにあたります。全部足すと91,890円です。

⑥はタテ計して9,000,000円です。

当サイトではこの問題を完全網羅しています。今回悔しい思いをした人はうちのサイト使ってください。05.略式別表(四)(法人税の計算)

問58

法人税計算ですね。設例の表の「その他の法人」で計算します。

8,000,000円×15%+(9,000,000円-8,000,000円)×23.2%=1,432,000円

ここで源泉徴収税を引きなおして終わり!!っとしたいところなんですが、出てきました今回のハードル、中小企業経営強化税制です。法人税の20%を上限に税額控除できます。FPWikiでは20%上限をカバーし損なっていました。申し訳ありません。問題のケースでは300千円あるとのことなんですが、算出した法人税1,432,000円の20%は286,400円なので、これ以上は引けません。

1,432,000-286,400-91,890=1,053,700円(100円未満切捨て)

ここは式3点、答え3点の合計6点とします(式は部分点あり)。ここの確定点は部分点で1点かなぁ~。厳しい!

参考ページ:05.略式別表(四)(法人税の計算)
参考ページ:17.(法人)税額控除・特別償却

問59

①~⑤は賃上げ促進税制の問題です。大企業は30%だ!中小企業は40%だ!!ってことは覚えていても細かい論点までは・・・。っていう方が多かったですかねぇ。最近法人税の税額控除制度がピックアップされるケースが多いように思います。そして毎年増えたり減ったり種類も様々動きがあります。問題に作りやすい側面があると思うのでしっかりおさえていきましょう。
大企業は3%増加で増加額の①15%、②4%増加なら25%(10%加算)です。教育訓練費③20%増加でさらに5%加算します。これで最大30%。
中小企業は④1.5%増加で15%、2.5%増加で30%(⑤15%加算)です。教育訓練費10%増加で10%加算します。これで最大40%。

①15% ②4% ③20% ④1.5% ⑤15%

⑥⑦は中小企業経営強化税制。即時償却もしくは取得価額の⑥7%(特定中業企業者等は10%)の税額控除で、控除しきれない分は1年繰越できます。

⑥7% ⑦1(年間)

賃上げ促進税制のほうは交互に虫食いしているところがあるので、30%40%のワンポイントだけでも覚えていただいてた方なら埋めることが出来たのではないかと思います。3つは当てておいて欲しいところ。

中小企業経営強化税制については10%のほうは示されているので「なら7%か!」となってほしいところですね。1つは当てて欲しい。

1問1点で計7点。確定4点とします。

第3問のまとめ

問57をしっかりおさえていただければ確定12点に!!今回の第3問は基本をしっかり覚えていたかがカギです!!

第4問:不動産

問60

配点はそれぞれ3点ずつの計6点にしました。今回すごく簡単です。確定6点です。
参考:04.建蔽率/容積率の計算

①は建築面積を求める計算。

まず防火規制は一体で考えますから防火地域となります。耐火建築物を建てる&特定行政庁が定める角地。10%+10%の緩和があります。
面積の計算は用途地域ごとに行います。今回、住居地域側には中心線が中心部にある3m道路があり、0.5mのセットバックが必要です。

近隣商業地域:400m²×100%=400m²

住居地域:(20m-0.5m)×20m×80%=312m²

合計:400+312=712m²

②は敷地面積を求めます。

土地の面積に指定容積率を掛けて求めます。
今回の問題だと前面道路が12m以上なので特に調整もなく、用途地域ごとに計算して足し合わせるだけです。どうしたきんざい!!

400m²×400%=1,600m²

390m²×200%=780m²

合計:1,600+780=2,380m²

参考ページ:04.建蔽率/容積率の計算09.建築基準法(建蔽率・容積率)

問61

問61は全6問。各問1点とします。合計6点。確定点は・・・4点とします!
①隣地 ②北側 ③高度 ④高度利用 ⑤1,200 ⑥借地権割合

建築基準法と都市計画法が出ました。08.建築基準法(道路・用途・高さ)07.都市計画法

①隣地斜線制限と②北側斜線制限はかなり基本的な問題なので確実に当てたいところ。地域地区の地区については当テキストで上げている2つがそのままでました!③高度地区と④高度利用地区ですね。でもここはうっかり忘れちゃっても仕方ないかなぁ。高度地区くらいは絞り出してほしい。

不動産の取得および保有等に係る税金が出ました。12.不動産の取得と保有にかかる税金

⑤1,200万円は当テキストに記載のとおりなんですが、これもしっかり覚えて試験に迎えれたかどうか・・・。基礎固めをしっかりやっていたかどうかで分かれるあたりですよね。
⑥借地権割合は確実に当てられるハズ。この辺をハズしてしまうようではまだ1級の合格は厳しいかもしれませんね(>_<)

問62

居住用財産の長期譲渡所得の特例問題が今回復活しました!!
FPWikiが活きる出題!!みなさま予習はバッチリでしたでしょうか?!
参考ページ:02.課税長期譲渡所得の計算

①は買換えですね。当テキストの③のパターンになります。

②は当テキストの①のパターン

どちらもあらためて解説する必要もないくらいオーソドックスな問題。間違ってしまった方は応用編対策ページで学習しましょう。

問62は①と②ともに式が2点、答え2点。合計8点とします。確定点もそのまま8点!!

第4問のまとめ

ここでの確定は18点。今回の不動産は王道問題ばかり。満点もいける内容でした。前回試験もそんな感じだったので、応用編の不動産は狙い目の傾向。点数を稼ぐセクションでした!!

第5問:相続事業承継

問63

配点予想は式が大がかりなので式4点、答え3点の計7点としました。今回のこれは当てないといけません。確定7点
もしここを落としてしまった人がいたとしたら明らかな準備不足です。応用編対策を優先しましょう。

まさかの今回も類似業種比準価額の問題。いつになったら相続が出るのでしょうか。
これはもう完全にうちのサイト見ていただければと思います。
前回よりも単純なセオリー通りの式と解答になります。類似業種もひとつしか示されていませんので迷う必要もありません。
参考ページ:07.類似業種比準価額と純資産価額計算

攻略ページの手順のとおりなので詳細は省きます。

まずは伏せられているところを埋めなければいけません。

1株当たりの年配当額を求めます。
ポイントは記念配当などがある場合は差し引くこと(今回は無し)。直前2回分を足して2で割り、平均を出すことです。

((200万円+160万円)÷2)÷(40,000株×10)=4.5円

つぎに1株当たりの利益金額。
ポイントは非経常利益は差し引くこと。「直前2回分の平均」「直前のみ」低いほうです。
今回は平均の方が低くできますね。

((3,980万円+4,280万円-500万円)÷2)÷(40,000株×10)=97円

※どちらも500円基準を50円基準に置き換えないといけないので株数を10倍して計算する(あるいは答えを10分の1する)のを忘れないように。

この計算の後に類似業種比準価額の計算となります。
ここまでに計算した答えを式に当てはめて解きます。
中会社は斟酌(しんしゃく)率0.6。これは暗記が必要です。
この計算もなんら変化球は無くオーソドックス。
類似業種の株価の状況は400円を選びましょう。
詳しくは当サイトの応用編対策を参考にしてください。

答 2,472円

問64

配点予想は各3点の計6点。前問からつまずくと道連れになります。ですがここも今回なんの捻りもありません。満点取ってください。確定6点

ここで必要なのは法人税37%とLです。中会社の大なので、斟酌(しんしゃく)率0.6、Lは0.9です。これは暗記が必要です。

純資産価額

純資産価額は法人税37%が必要です。今回は王道ズバリですのでリンクしてご覧くださいね♪
参考ページ:07.類似業種比準価額と純資産価額計算

35,900万円-15,500万円=20,400万円

33,500万円-15,500万円=18,000万円

20,400万円-18,000万円=2,400万円

2,400万円×37%=888万円

20,400万円-888万円=19,512万円

19,512万円÷4万株=4,878円

① 4,878円

併用方式

こっちはLを使用します。大は0.9。
評価額=類似業種比準価額×L+1株当たりの純資産価額×(1-L)
Lは類似業種のほうに使い、純資産価額は1からLを引いた分です。

こちらも特にひっかけはありません。

2,472×0.9+4,878×(1-0.9)=2,712.6(円未満切捨て)

② 2,712円

参考ページ:07.類似業種比準価額と純資産価額計算

問65

ここで少し相続になりましたね。今後はこういう感じで出題されるんですかねぇ?

配点予想は①のみ2点であとは各1点の計7点。④⑤⑥は間違っても仕方ないと割り切りましょう。確定4点は取りましょう。

①3,750(万円) ②10(年) ③50(%) ④家庭裁判所 ⑤2024(年) ⑥8(ヵ月)

①は長女Cさんの遺留分。ここが少し計算必要な問題でしたね。でもこれも変化球は無し。

Aさんの相続人は妻B(2分の1)、長男Dと長女C(ともに4分の1)の3人です。
3億円あると言っているので長女Cの取り分は7,500万円。遺留分はその半分となりますから3,750万円が正解です。

②は遺留分の算定の基礎となる財産の問題。これは10年間です。

参考ページ:09.遺留分

遺留分の特例(除外合意・固定合意)に関する問題。

③は除外合意・固定合意の条件の問題。長男が議決権50%超をすでに持ってたら、すでに筆頭株主じゃんってことになり、経営承継税制の意味合いと違ってしまいますからダメって事です。

④は手続きのこと。確認取ったら家庭裁判所に許可をもらうんですが、ここはスルーしちゃってた人が多いかなぁ。出ると思わないもんねー(>_<)

参考ページ:09.遺留分

非上場株式等についての相続税の納税猶予および免除(特例措置)の問題。

⑤⑥の特例承継計画書の提出期限については当テキストはカバー外でした!申し訳ありません(ノД`)・゜・。2024年度末までに作って出す必要がありますね。そして相続開始後に提出したい場合は相続開始の翌日から8ヵ月以内に申請すると。これはほんとすみっこなんでハズしても落ち込まないように・・・。

参考ページ:16.中小企業・個人事業主の納税猶予と免除

第5問のまとめ

このセクションは確定17点でした。第5問は最後の山場なのですが、今回は定番も定番。解きやすい問題でしたね。

応用編まとめ

今回は王道の問題ばかりで、時間を掛けてやってきた人は「待ってました!」と座席で声に出してしまいそうな問題だったんじゃないでしょうか。

ここだけは押さえて欲しい点である「確定点」を集計してみると、

  • 第1問 12
  • 第2問 13
  • 第3問 12
  • 第4問 18
  • 第5問 17

合計  72 点

今回は高めの確定点が出ました。やはり計算問題が王道だと得点が高くなります。
手前みその配点予想が元になりますが、計算問題(計算をしないと答えが出せない穴埋め含む)だけで配点は66点もあります。
計算問題はパターンさえ覚えれば確実に解ける問題になるので、特に今回のような王道だと得点がしやすくなります。
イージーミスがあったとしても50点は抑えられるでしょう。それだけでも合格ラインがだいぶ近くなるわけです。
応用編の試験問題は毎回変化が大きく、出題傾向も読みにくくなっては来ていますが、それでも計算問題が主体になるのは変わりません。
そして計算問題は当てずっぽうでは加点出来ないものであり、また、ひとつ間違うと連鎖していく恐れもあります。
今回応用編で苦戦された方は今一度最初に戻っていただいて、応用編対策ページで基本式から学んでいただきたいと思います。

「基礎編・応用編」総評

基礎編まだ見てない方はこちら→2022年9月実施FP1級学科試験分析(基礎編)

今回全体で見ると基礎編と応用編が元のバランスに戻ったような気がします(基礎が難しく応用が簡単)。
キラー問題のザラバなどがありましたが、応用は80点台も楽に出せそうな難易度。
前回の総評で応用編難化の時代か?!なんて書いてしまいましたが、すっかり元に戻してきましたね。

基礎編の場合、易問24問、普通問14問、難問10問でしたから、易問を全問正解、普通問を半分正解、難問は不正解とすると62点。

応用編の場合、確定点で72点。

今回の試験は134点。基本に忠実に積み上げてきた方が報われる試験だったかもしれませんね。

今回振り返って思うのは、出題予想などをしても大してプラスにはならず、むしろ今まで通りの対策をずっと続けていって、それを積み上げていく。その幅を広げていく。その活動を地道に続けていくことが結局一番の近道なのだと。それを教えるための試験回だったように思います。

私などは3回も受けてようやく受かったわけですが、バラエティに富むFP1級試験。変化球だらけの試験もあります。全然見た事ない問題だらけのときも。ただ、何度もチャレンジしていくと必ず自分の得意とする回に巡り合います。そして何度も経験しているうちにFP知識も身についてきます。私にとっての最短が3回目だったのだと思っています。

地道にじっくり積み上げていきましょう!そしていっしょに学んでいきましょう!!

受験されたみなさま、おつかれさまでした!!
(`・ω・´)ゞ

2022年9月実施FP1級学科試験分析(応用編)” に対して6件のコメントがあります。

  1. tt より:

    先日の試験で、問52の解答について、計算式はほぼ模範解答に沿っているものの、基礎年金の金額を間違えたことにより不正解となってしまったのですが、このような場合、部分点による加点は見込めると思われますか?
    管理者さんの見解をお聞かせいただければ幸いです。

    1. Wiki技能士 より:

      お問い合わせありがとうございます。
      応用編の部分点については明言はされていないのですが、
      過去の受験生の統計を見ると部分点がなければ解明できない点があり、
      事実上存在するものとされています。
      私の見立てではttさんのケースでは部分点はあると予想します。
      1点ないし2点も場合によってはあり得るのかなと。
      配点の、式2点、答え3点というのも私の独断ですので、
      ご参考までとしてください。
      合格お祈りいたします!!
      (`・ω・´)ゞ

  2. tt より:

    ご解答ありがとうございます。
    おかげさまで希望が持てました。
    もし落ちてしまっていたら、次の試験に向けて再びこちらのサイトのお世話になります。

  3. tt より:

    おかげさまで学科に合格しました。
    次は実技試験に向けて再度お世話になります。

    1. Wiki技能士 より:

      ttさんおめでとうございます!!
      実技試験も良い結果になるようお祈りいたします(^^)/
      実技試験についての記事はコラム程度ですが
      投稿ページに上がっていますので
      お時間あったら読んでみてくださいヾ(≧▽≦)ノ

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