2025年5月実施FP1級学科試験分析(応用編)
はじめに
2025年5月実施のFP1級学科試験の応用編を振り返っていきます。
基礎編まだ見てない方はこちら→2025年5月実施FP1級学科試験分析(基礎編)
毎度、基本的な話ですが応用編は5部構成。B分野リスク管理を除き(B分野かわいそう)
以下の構成で出題されます。
第1問 Aライフプランニング
第2問 C金融資産運用
第3問 Dタックスプランニング
第4問 E不動産
第5問 F相続・事業承継
今回も試験問題を片手にご覧ください。
分析の便宜上、配点予想もしていますが、
私の配点予想は過去の試験から想像したあくまでも独断です。
他のサイトさんを参考にもしてません。完全なる独断です。
みなさんは他のサイトさんの予想も参考にしてくださいね♪
そして急いで作っているので間違っている点があったら教えてくださいね(*´Д`)
また、ここは当てて欲しい!という問題は確定点として計算し、難易度の指標にしています。
確定点の評価基準は「FPWikiで学習しているFP2級保持者」を想定しています。
それではいってみましょう。
応用編解説
第1問:A分野
問51
まずは穴埋め問題からスタート。配点は1問1点の計6点と予想。
社会保険の取扱いと在職老齢年金からの出題。
答:①70(歳) ②75(歳) ③65(歳) ④18(万円) ⑤6(月) ⑥150(万円)
Ⅰ 社会保険の取扱い
①:厚生年金保険は70歳までですね。受給権を確保していると外れます。
②:健保は75歳ですね。75歳になると後期高齢者に切り替わります。
③:65歳になって年金の受給権を獲得してる人は第2号からは外れますね。
④:18万未満だと普通徴収になります。
Ⅱ 在職老齢年金
⑤:標準月額の算定は4~6月の3ヵ月間の給与を基にします。サラリーマンの方は知ってる人も多いと思うのですが・・・テキスト外でしたね。
⑥:標準賞与の上限は150万円(厚生年金の場合)です。
ここは最低でも半分は当てて欲しいところですねー。年金と健康保険とで上限年齢が混乱しやすくはありますけどね。一回覚えてしまえばだいじょうぶです。
確定点4点です('ω')ノ
03.健保・国保・後期高齢者制度(p14)
07.公的年金制度[全体像](p40)
04.公的介護保険(p21)
問52
年金試算です。今回は遺族年金相談編ですね。遺族厚生年金を求めよという事です。今回軽め?あ、違うぞ。これは妻も年金受給してるパターンだ!過去問屋つぶしですね。
過去問家ではない過去問屋は一掃します!!ってことでしょうか?(意味不明)
でも過去問だけに頼らずFPWikiをしてきた人なら大丈夫。それでは対策ページに沿って進めていきましょう。
私の配点予想は①が3点、②が5点の合計8点とします(式に部分点あり)。
答 ①766,700(円) ②966,560(円)
①老齢基礎年金の年金額
未加入期間が29月あるので加入期間は480-29=451月となります。厚生年金は228月と283月があるんですが、厚生年金が65歳までであるのに対して国民年金は60歳までなので60歳以後は国民年金払ってないんですよね。なので単純に480-29=451でOKなワケです。
816,000円×(451月÷480月)=766,700円
今回のは基本に忠実。絶対に当てておかないといけない①でした!!
②在職老齢年金による支給調整後の老齢厚生年金の年金額
まさかのこの改正時期に在職老齢年金出してきました。攻めてきますねー。今まできんざいはそういう時期ははずしてきていたのですが。問題文には2024年度の支給調整額に基づけと書いてますので、50万ですね。キリが良くて覚えやすかったんですがね~。
まずは年金額を計算します。
380,000円×(7.125÷1,000)×228月+490,000円×(5.481÷1,000)×283月=1,377,360円(円未満四捨五入)
在職老齢年金の計算のための基本月額を導くので12分割します。
1,377,360円÷12=114,780円
在職老齢年金は「総報酬月額相当額+基本月額」から50万円を超えた分の内、2分の1が減額されます。
(530,000円+114,780円-500,000円)×1/2×12ヵ月=868,680円
年金額から引きます。
1,377,360円-868,680円=508,680円
次は経過的加算。ここで使うのは20歳以上60歳未満の厚生年金の加入月数ですよ!注意!
1,701円×480月-816,000円×(451月÷480月)=49,780円
年金額と経過的加算を合算します。
508,680円+49,780円=558,460円
最後に加給年金です。これは単純に出るか出ないかで判断します。詳しくは応用編対策ページを見ていただきたいですが、今回は奥さん年下なので出ます!足しましょう!!
558,460円+408,100円=966,560円
②はどれだけ在職老齢年金の対策ができていたかですね。これまでの試験では年度替わりで改正する項目については出題を避けてきた傾向があるので、わたしだったら対策しないで痛い目を見ていたかもしれないです(ノД`)・゜・。
対策していた人はおみごとです!!計算自体は難しくはないですから頑張っていきましょう!確定点は6点とします。
01.年金試算(p478)
問53
任意継続被保険者に関する出題。穴埋めはこちらも全部で6つ。配点は各1点、計6点と予想。
答:①2(ヶ月) ②20(日) ③2(年間) ④4(%) ⑤14(日) ⑥所得(割)
① :2ヵ月以上の被保険者期間が必要ですね。
②:20日以内ですね。これも2絡み。
③:最長2年間。これも2。①~③まではセットで覚えるべきです!!(^^)/
④:年4%の割引!!これは非対応です(ノД`)・゜・。スミマセン・・・。
⑤:国保は退職後14日以内ですね。
⑥:これも細かい論点で非対応。均等割平等割所得割資産割水割りソーダ割ウーロン茶割・・・・(ノД`)・゜・。スミマセン・・・。
2年間・2ヵ月・20日の2続き!!ここは簡単な問題が多かったですが、④と⑥が対象外。確定点4点としておきましょう(^^)/
03.健保・国保・後期高齢者制度(p14)
第1問のまとめ
第1問の確定点は合計14点。まずまずの滑り出し。とはいえ、テキスト外が出たのが残念なところです(>_<)
第2問:金融資産運用
今回は上場株式と公募株式投資信託への投資について悩むAさんの問題。いつものやつですね。
問54
財務データ分析その1ですね。自己資本当期純利益率って書き方してきてムカつきますが、これはただのROEです。当期かどうかとか関係ないんであまりROEをこういう表記にはしないと思うのですが、これは意地悪ということでいいと思います。きんざいからのハラスメント、きんハラです。きんハラ。さぁ、負けないで頑張っていきますよ!!
配点は各1点、合計5点としました。
答:①8.24(%) ②6.18(%) ③376.36(%) ④34.46(%) ⑤162.66(倍)
①:ROE=当期純利益÷自己資本×100です。自己資本は純資産-新株予約権-非支配株主持分などで導き出せますよ(∩´∀`)∩
37,080÷(451,200-1,200)×100=8.24%
②:サステ内部留保ですね。ROE×内部留保率(1-配当性向)です。配当性向は配当金÷当期純利益です。8.24×(1-(9,270÷37,080))=6.18%
③:流動比率の問題。(流動資産÷流動負債)×100ですね。414,000÷110,000×100=376.36%
④:固定長期適合率です。(固定資産÷(自己資本+固定負債))×100なので、159,200÷(450,000+12,000)×100=34.46%
⑤:インタレストカバレッジレシオ。事業利益÷金融費用です。事業利益=営業利益+受取利息+受取配当金で51,200+350+500=52,050になります。
金融費用=支払利息および割引料+社債利息ですが、社債利息は今回ありませんので支払利息のみの320円となります。
52,050÷320=162.66倍
22.決算書の分析ページも学習に組み込んでくださいと以前からお伝えした通り、今回2問も出てきましたね。他はいつもの財務データ分析問題。言いつけを守ってくれた方はここは満点いけたかも?最近出た流動比率までは当ててくれたと信じて確定点は4点としておきます!!
03.財務データ分析(p488)
10.株式投資の企業分析(p175)
22.決算書の分析(p318)
問55
信用取引に特化した問題が出ました。信用取引は解説していますがどこまで対応できるか。行ってみましょう!
配点予想は各1点の計6点とします。
今回クロージングオークションという完全テキスト対応外の問題が出てしまいました。しかも記述式の応用編で!(ノД`)・゜・。
①3時30分 ②ザラバ ③5(分間) ④成行(注文) ⑤普通分配金 ⑥174,709(円)
東京証券取引所における株式取引
①:テキスト外ではありますが、3時だったのが30分延びて3時半までになりました。
②:ザラバです。立会時間中に個別で連続的に成立していく売買。
③:ザラバ終了時から5分間プレクロージングになります。
④:成行注文と指値注文。これは基本なので覚えましょう。
公募株式投資信託の収益分配金および譲渡益への課税
⑤:普通分配金になりますね。元本割ってないので課税対象です。
⑥:これは初めての出題な気がしますね。投資信託を自分で購入してる人は頭フル回転で解いたのではないでしょうか。条件を見てみるとこの人は12,500円が基準価格の時に500万投資したわけですね(12,500円を400本買ったってことなんです)。そんで、15,000円に値が上がったので売ったってことですね。600万円になるので100万円の利益です。掛かった費用は購入時手数料。投資資金500万の2.2%で110,000円。解約時に差し引かれた信託財産留保額600万円の0.5%で30,000円。100万円-110,000円-30,000円=86万円。ここから20.315%が源泉徴収されます。86万円×20.315%=174,709円となります。
今回クロージングオークションは対応できませんでした。⑥も正直難しいと思います。確定点3点ですねー。なかなか厳しいですね。
09.株式投資(p170)
05.投資信託の実務(p155)
問56
来ましたポートフォリオ(期待収益率・標準偏差)!!しかもこれは結構ベタなやつですよ!!FPWikiファンのみなさまはしっかり対策してますよね?!ね!!
配点予想ですが①は式2点、答え2点の合計4点、②は式3点、答え2点の合計5点。総合計9点とします(式部分点あり)。
答 ① 6.60(%) ② 6.16(%)
①投資信託Yと投資信託Zを6:4の割合で組み入れたポートフォリオの期待収益率
3つのシナリオの起こる確率と、その利率が示されていますので、YとZそれぞれの平均値を求めます。
Yファンド (12%×0.5)+(6%×0.3)+(▲4%×0.2)=7%
Zファンド (8%×0.5)+(12%×0.3)+(▲8%×0.2)=6%
この2つの答えを6:4にします。
(7%×0.6)+(6%×0.4)=6.60% 期待収益率=6.60%
楽勝です。良くある問題です。はずした人は修行が足りませぬぞ!!
②投資信託Yと投資信託Zを6:4の割合で組み入れたポートフォリオの標準偏差
今度は6:4のときのシナリオごとの期待収益率を求めていきます。
シナリオ① (12%×0.6)+(8%×0.4)=10.4%
シナリオ② (6%×0.6)+(12%×0.4)=8.4%
シナリオ③ (▲4%×0.6)+(▲8%×0.4)=▲5.6%
問題1で出た期待収益率とシナリオごとの収益率をもとに生起確率を用いて分散から標準偏差を導き出します。
分散=(10.4-6.6)²×0.5+(8.4-6.6)²×0.3+(▲5.6-6.6)²×0.2=
14.44×0.5+3.24×0.3+148.84×0.2=37.96
導き出した答えに平方根を掛けると答えが出ます。
√37.96=6.16
標準偏差=6.16(%)
これまた楽勝!!電卓打ち間違いが無ければ時間さえかければ必ず取れる問題です。
この2問はFPWikiユーザーは満点取りましょう!!確定点9点です!!
08.ポートフォリオ(期待収益率・標準偏差)(p507)
第2問のまとめ
確定点は16点です!!今回は記述式問題で嫌がらせがありましたが、計算問題はほぼ定番問題。ここで得点稼ぎできてればあとが楽ですね!!
第3問:タックスプランニング
おっと今回も略式別表四が来ましたね!!今回もX会社の確定申告資料を読み解いていくぜぃ!!٩( ''ω'' )و
問57
さぁさぁ来ました略式別表四。各問1点ずつの計7点予想。
ほら応用編対策ページを開き給えよ。攻略してまいろー(∩´∀`)∩
①6,500,000(円) ②200,000(円) ③5,000,000(円) ④10,100,000(円) ⑤300,000(円) ⑥40,840(円) ⑦37,500,000(円)
①:「損金経理をした納税充当金」は「見積納税額」を書き写すのみです。書写問題です。
②:償却超過額なので超えたのは器具備品。200万引く180万なので20万ですね。建物の繰越超過額は何かですか?これは後から出てきます。
③:役員給与の損金不算入額。時価との差額が不算入なので25,000千円-20,000千円で500万円です。
④:1万円以下の飲食費は控除し、残りの額に対して800万控除するか、1万円を超えた飲食費の50%を控除するかを選択する。今回は50%控除が有利になるので⑵1010万が正解。
19,700千円-1,200千円=18,500千円
⑴1850万円-800万円=1050万円
⑵1850万円-(1680万円×50%)=1010万円
⑤:減価償却の当期認容額。建物のほうですね。50万円繰り越し中で、今回30万の空きがあるので、30万を認容できます(^^♪
⑥:所得税と復興特別所得税額を足すだけです。4万+840=40,840円
⑦:表がすべて埋まりましたので足し算引き算するのみです。当期純利益17,179,160+加算21,800,000-減算1,520,000+所得税額40,840=37,500,000円です。
今回もFPWiki利用者は全問正解できる問題ばかりでした。満点いきましょう!確定点7点です('ω')ノ
05.略式別表(四)(法人税の計算)(p494)
問58
問57からの流れで法人税の計算になりますね。ここは式4点答え3点で予想配点7点としました(式は部分点あり)。
答 7,723,100(円)
800万までは15%で計算、それを超える分は23.2%で計算し、出た税額から税額控除や源泉所得税などを引けば完成となります。税額控除はもちろん控除ですし、源泉所得はすでに支払ってるから引くわけですね。
8,000,000×15%+(37,500,000₋8,000,000)×23.2%=8,044,000
8,044,000-280,000₋40,840
=7,723,100円(100円未満切捨て)
難しい事をしているようでこれだけの事なんです。前回と全く同じ出題なのでコピペで簡単でした(爆)
それだけ良く出てくる計算です。何度も練習して身体に染み込ませましょう!!
05.略式別表(四)(法人税の計算)(p494)
ここは満点いきましょう!
ということで確定点7点です('ω')ノ
問59
法人税および消費税の問題。
配点予想は各1点、合計6点とします。
答 ①500(人) ②300(万円) ③95(%) ④2(ヶ月) ⑤48(万円) ⑥1(ヶ月)
Ⅰ 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
①:従業員数500名以下ですね。300か500かうろおぼえだと間違いそうですね(>_<)
②:年間300万円が限度。記述式問題にしては細かいところかも。
Ⅱ 消費税の確定申告・中間申告
③:原則課税制度について。仕入時の税額を控除できる訳です。課税売上割合が95%以上なら全額控除できます。なかなか難しい論点。
④:2ヵ月以内に申告。延長特例で1ヵ月延長。これは覚えてましたか?
⑤:これはマニアック問題(ノД`)・゜・。6カ月・3ヵ月・毎月のほうは暗記で覚えた人もいると思うのですがねぇ(>_<)
⑥:これも盲点でした・・・。今回の試験は基礎編より応用編の方が初出問題多いような。3ヵ月または1ヵ月ごとにできます。
ちょっと難しかった問59。テキスト外は⑥のみですが、確定点3点ってところですねー。半分当てられていたら良しとすべきです!!次にいきましょう!!
第3問のまとめ
第3問は記述式が意地悪でも計算が定番だったので高得点イケる展開。今回の確定点は17点です!!確定点いってない人はまだまだ伸びしろありますよ(^^)/
第4問:不動産
自宅を建替えたいAさんからの相談。
問60
不動産取得税・登録免許税と譲渡所得の特例からの問題ですね。
配点予想は各1点ずつの合計7点。
答 ①2(分の1) ②3(%) ③1300(万円) ④2(%) ⑤保存(登記) ⑥1(年) ⑦20(%)
Ⅰ:不動産取得税・登録免許税
①:宅地や宅地比準土地を取得した場合は特例があるので固定資産の評価額が2分の1になります。これはそんな難しくないですかね。
②:課税標準は4%ですが、住宅用3%になります。
③:通常1200万円控除なんですけど、認定長期優良住宅は1300万になるんです。これはちょっとムズイ。
④:贈与とか交換は本則になるので2.0%です。これもちょっとムズイか(>_<)
⑤:保存登記です。設定だっけ?とか言葉が浮かばなかった方は残念m(_ _)m
ここは③と④が記述式にしては難しかったですかねー。
12.不動産の取得と保有にかかる税金(p357)
Ⅱ:固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例
⑥:交換の特例は1年以上所有してる固定資産が対象です。
⑦:交換が成立するのは高い方の価額からみて差額が20%以内ですね。
⑥⑦は基本的な問題なので記述でもできるはず。
17.その他の不動産の譲渡の特例(p375)
7問中難しかったのは③と④ですね。②と⑤もうろ覚えの人がいたかも。確定点4点にします。5点いけますが、4点は確保しておいてほしいです(^^)/
問61
課税長期譲渡所得の問題です。来ましたね。FPWikiユーザーの加点ポイント!!がんばりましょう!!
今回は交換のパターンですね。ちゃんとすべてのパターンを練習してきてますか?
配点予想は①4点②5点でそれぞれ部分点ありの合計9点です。
答 ①1,120,000(円) ②227,500(円)
①課税長期譲渡所得金額
これはFPWiki応用編対策の⑤固定資産の交換パターンで解きます。
費用の算出をします。
(取得費+譲渡費)×(交換差金÷交換譲渡資産の時価)=差金分の取得費・譲渡費
(800,000×50%+24,000,000×5%)×(1,200,000÷(22,800,000+1,200,000))=
1,600,000÷0.05=80,000円
差金から費用を引きます。
1,200,000円-80,000円=1,120,000円
譲渡所得金額は112万円です。簡単ですね?
②所得税および復興特別所得税、住民税の合計額
交換パターンは、税率は一般税率になりますので所得税15%、住民税5%です。復興特別所得税も忘れずに。
まずは所得税と復興特別所得税。
1,120,000×15%=168,000円
168,000×2.1%=3,528円
足し合わせます。
168,000+3,528=171,500円(100円未満切捨て)
所得税が終わりました。次は住民税。
1,120,000×5%=56,000円
最後は所得税と住民税を足し合わせます。
171,500+56,000=227,500円
定番問題ですね。これは絶対に得点してください!!
確定点は満点の9点です!!
02.課税長期譲渡所得の計算(p483)
問62
乙土地での耐火建築物建築についての問題。配点予想はいつもだと3点ずつにしてるのですが、今回問題数の関係もあるので、2点ずつの合計4点にしてみました。
答 ①88(㎡) ②270(㎡)
①建蔽率の上限となる建築面積
今回は第一種住居地域。準防火地域で一部防火規制なしに指定されています。この場合は?そうです、すべて厳しい規制の方が優先されますので全面準防火地域と考えます。
次に前面道路が3mしかありませんから、1mの半分、0.5mがセットバックされて土地面積が狭くなりますね。この2点を導き出せれば正解です。
乙土地①(10.5m-0.5m)×10m=100㎡
100㎡×(60%+10%)=70㎡
乙土地②(10.5m-0.5m)×3m=30㎡
30㎡×(50%+10%)=18㎡
70㎡+18㎡=88㎡です。
ここは当てとかないと・・・ですねぇ。
②容積率の上限となる延べ面積
容積率計算です。「前面道路の幅員による容積率制限(前面道路幅×4/10)」で計算するか指定容積率で計算するか。低い方が採用されます。そして地域がまたがる場合はそれぞれで計算して足し合わせます。
乙土地①6m×4/10=240%
300%より240%が小さいので240%が採用されます。
100㎡×240%=240㎥
乙土地②6m×4/10=240%
指定容積率100%のほうが小さいので100%が採用。
ちなみにこちらの土地の前面道路はあくまでもひとつの建築物として考えるので6m公道を前面道路として計算するんです。
30㎡×100%=30㎥
最後足し合わせます。
240+30=270㎥
ここもいけますね。確定点4点!!
04.建蔽率/容積率の計算(p492)
第4問のまとめ
確定点17点。今回の応用編は計算問題が狙い目ですかね。平均点が高くなりそうな回ですね。
第5問:相続事業承継
最終第5問は「類似業種比準価額と純資産価額計算」になりました。これも散々やってきたよね?ここまで来たら当たって砕けろ!!満身創痍でもあきらめずにいきましょう!!
問63
来たぜ類似業種比準価額。ここが解けないと次の問64で失敗するぜ!!確実に取るぜ!!(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
配点予想は式4点、答え3点の計7点としました。
答 4,369(円)
今回の業種は「中会社の小」と設定に書いてありますね。斟酌率は0.5で「L」は0.60となりますね。控えておきましょう。
さて類似業種比準価額の算出です。
・1株当たりの資本金の額
まず1株当たりの資本金額を出します。
1,000万÷20,000株=500円
今回も50円あたりで示されている表については10分の1する必要がありますね。
(5)の表の□□□で伏せられている2か所を導き出す
・1株あたりの年配当額
1株あたりの年配当額は(6)表の配当金額直前2回分を足して2で割り、平均を出します。
注意点として記念配当等単発的なものは計算から除外します。今回はありません。
(180万+160万)÷2=170万円 これを2万株で割ります。
85円になるのですが、このままだと(5)の表には入れられません。
(5)の表は1株50円の場合の表なのですが、85円は500円の場合の価格ですから桁が一つ違います。50÷500なので10分の1です。
85円を10分の1にして8.5円を当てはめます。
・1株あたりの年利益額
1株あたりの年利益額は(6)表の所得金額直前2回分を見るのですが、ここで注意点。
先ほどとは違い、「直前2回分の平均」か「直前のみ」の低いほうです。選択式です。
非経常的な利益がある場合は差し引いて計算します。すると直前のみの方が低くなりますね。
低い方を選択したらあとは先述の年配当と同じ方法で計算をして表に入れてください。
(1,210万-200万))÷2万株×50/500=50円(円未満切捨て)
類似業種株価の選択
次に「類似業種の1株(50円)当たりの株価の状況」から一番安いものを選択します。
「月の平均」「前月の平均」「前々月の平均「前年の平均」「以前2年間の平均」の5つの中から選ぶのですが、たまに引っ掛けで違うのが入るので注意が必要です。今回は引っ掛け無し。一番有利な340円を選択します。
ここまで出れば類似業種比準価額の式に当てはめることができます。
類似業種比準価額の計算
1株(50円)あたりの株価(1番安いもの)×[[(年配当/類似業種年配当)+(年利益/類似業種年利益)+(簿価純資産価/類似業種純資産価)]÷3]×乗数×(1株あたりの資本金/50円)
これが式になります。わかりにくいので実際の数字を入れてみますね。
340×[[(8.5/9.0)+(50/40)+(620/590)]÷3]×0.6×(500/50)
=340×(0.94+1.25+1.05)/3×0.6×10
=340×1.08×0.6×10
=2,203円
答えは2,203円となります。すごく基本に忠実な出題でした。
07.類似業種比準価額と純資産価額計算(p507)
応用編対策をしておけばここは満点です。すごい大変だけど対策さえしておけば一気に7点獲得できるんです。やっておくべきです。
確定点は7点です!!
問64
純資産価額および類似業種比準方式と純資産価額方式の併用の価額をそれぞれ求める問題。さきほど控えておいたLを使います。0.60でしたね。
もう超楽勝な定番問題。解説もコピペで済んじゃう問題。あ、手抜きって言わないで・・・(ノД`)・゜・。
予想配点は各3点、2問で6点の予想です。
①6,830(円) ②4,053(円)
・純資産価額
資産負債の状況の表の合計のところを使います。それと法人税率37%を使用します。
①:まず資産の相続税評価合計から負債の相続税評価合計引きます。
22,700万円-8,300万円=14,400万円
②:次に資産の帳簿価額合計から負債の帳簿価額合計を引きます。
20,700万円-8,300万円=12,400万円
③:①相続税評価額計(差引後)から②帳簿価額計(差引後)を引いて差額を求めます。
14,400万円-12,400万円=2,000万円
④:この差額の4,000万円に法人税率37%を掛けます。
2,000万円×37%=740万円
⑤:①相続税評価額計(差引後)からこの税額を引くことで税引後の企業の価値が測れるわけです。
14,400万円-740万円=13,660万円
これを株数で割って一株当たりの金額を求めます。
13,660万円÷2万株=6,830円(少数点以下切捨)
答えのひとつ、純資産価額は6,830円となりました。
・類似業種比準方式と純資産価額方式の併用
ここから併用を求めていきます。Lを使用します。
計算式はこのようになります。
評価額=類似業種比準価額×L+1株当たりの純資産価額×(1-L)
Lは類似業種のほうに使い、純資産価額は1からLを引いた分です。
2,203円×0.60+6,830×(1-0.60)=
1,321.8+2,732=4,053円(少数点以下切捨)
併用での価額は4,053円となりました。
今回もド定番問題。批判が多いからきんざいさん今年はおさえてきてるのかな。確定点は満点の6点!!
07.類似業種比準価額と純資産価額計算(p507)
問65
さぁヤマを越えましてひと息ついて気が抜けてしまいそうですが最後の穴埋め問題を落としてはいけません。今回は遺留分と直系尊属贈与の非課税制度。予想配点は各1点の合計7点です。
①3,000(万円) ②10(年) ③1(ヶ月) ④経済産業(大臣) ⑤1,000(万円) ⑥3月15日 ⑦2,000(万円)
①:妻がいる時の遺留分は法定相続分の2分の1。6000万÷2=3000万です。
②:特別受益は10年ですね。これは記憶しやすいハズ。
③:1ヵ月以内。そして↓
④:経済産業大臣の確認を取ります。
09.遺留分(p416)
⑤:省エネ住宅なら1,000万円、その他は500万円です。
⑥:翌年の・・・っていうんでもう3月15日しかないですよね(^^♪
⑦:贈与を受ける人の収入は2,000万以下。これも2,000万以下って制度多いですよね。
03.直系尊属からの贈与3種(p397)
全部テキスト掲載なので満点もいける問題ではありました。ですが確定点は受検者目線でつけております。それでいくと③④はマニアックでしたね。最終問題で疲れもあったでしょう。ここは確定点5点としておきます!
第5問のまとめ
確定18点。今回の第5問は高得点。計算問題は定番。記述式もテキスト掲載ばかりでした。類似業種比準の問題はすごい大がかりで腰が引けてしまうんですが、相続よりもよっぽどパターン化されているので慣れてしまえば迷わないです。何度もやって覚えちゃいましょう(^^)/
応用編まとめ
ここだけは押さえて欲しい点である「確定点」を集計してみると、以下のとおりになりました!(カッコ内は前回試験)
- 第1問 14(18)
- 第2問 16(15)
- 第3問 17(18)
- 第4問 17(18)
- 第5問 18(13)
合計 82(82) 点
ふむふむ、今回もバッチリ高得点です。テキスト掲載でも確定点から外している問題もあるのでもっと高得点も狙えたと思います。
初見問題は記述式で少しありましたが、計算問題がほぼすべて定番。FPWikiの応用編対策をやっておけば、付け焼刃でも充分70点は行けたと思います!!
今回応用編が奮わなかった方は、試験日1ヵ月前になったらFPWikiの応用編対策ページで過去問周回をやってください。計算問題は形式がほぼ決まっているので、私がすべてパターン化してあります。それを手に周回する事で身につきます。がんばりましょう!!
「基礎編・応用編」総評
基礎編まだ見てない方はこちら→2025年5月実施FP1級学科試験分析(基礎編)
基礎編は、易問21 普通問15 難問14でした。
今回の基礎編は癖が無く基本的な問題で難易度をしっかり調整した骨太の基礎編でした。しっかり今の実力が出た回だと思います。
「確定点」は易問を全問正解、普通問を半分正解、難問は25%正解として64点(四捨五入)!!
応用編については記述式で初見という意地悪があったものの、得点配分の大きい計算問題がド直球。結果、確定点82点をマーク!!
最終結果は64+82=146点
FP1級学科試験は基礎50点+応用70点と良く言われます。しっかりそのバランスで+10点という成果が出せました。安定して合格者が出せたのではないでしょうか。
もしそうならわたしもこの活動を続けている甲斐があるというものです。
合格率ですが、今回も10%は超えてくるでしょうね。14%くらいかなぁ?(*´▽`*)
今回も全体的にはやさしめの回でしたね。特に計算がやさしいのは助かります。加点が安定しますからね。
最近の試験は高得点回が多いです。テキストに則って学習していれば合格できた回が多いですね。もし最近負けが続いている人がいるなら、単純に点数だけで考えるのではなく、どの分野が悪かったか。また、記述式か選択式か計算問題か。苦手を確認しましょう。
今回残念だった人は計算を落としてる人が多いんじゃないですかね。計算問題は加点が大きいですから今回みたいな試験は絶対に抑えないといけません。
かならず復習していただいて次の試験に備えましょう!!
合格したみなさん、おめでとうございます!!基本をしっかり学習していたその努力が報われたと思います!!
残念だったみなさん、FP試験は年3回ですからね。1度の試験で受かろうと思わずに、試験回も学習スケジュールに組み込んじゃってください!
学習期間が長い方が合格後も知識が定着してますよ!!毎回言うけどこれはほんとです!!
次は9月試験。今年度は新制度や改正がたくさん入ってきます。テキスト修正も頑張って進めていきます!!
わたしも頑張りますので受検生のみなさんも気合い入れて頑張っていきましょう!!では!!
※急ピッチで仕上げましたのでコピペでおかしくなっていたり間違っている箇所がありましたらお問い合わせ・DM等でお知らせくださいm(_ _)mやさしめに