2022年5月実施FP1級学科試験分析(基礎編)

さて、今回もできる範囲内ですが試験問題を分析してみますよー。
また今回も、問題の種類を3つに分けました。

公式テキストでの勉強だけでは絶対に解けなかっただろう問題「難問」、
テキストには載っているので頑張れば解けたかもしれない問題「普通問」、
テキストで基礎が身についていれば解けたであろう「易問」。

主にこのような形で分けました。
ただ今回は公式テキストではなく、当サイトで勉強していたことを基準にしているので、
当サイトに掲載されていたとしても難しかったものは難問としました。

前回同様、問題用紙を片手に読み進めてください。
短評、少し長めに頑張ってみましたよ。あと当サイトのリンクもそれぞれ貼りました。

あ、あと間違った解説があったら教えてくださいね!すぐ修正します。

今回は基礎編の解説です。応用編はこちら→2022年5月実施FP1級学科試験分析(応用編)

基礎編の検証

問 1

易問

(a)は定番の「年金額の試算」。これは誰でもできますよね。(b)は「法務局に提出する書類の作成」が少しだけ引っ掛けですね。確かにFPはできませんが、司法書士法です。よって(c)のみ正解です。
01.FPの倫理と関連法規へリンク

問 2

普通問

4が正解ですが、これは昨年度のマニアックな改正が出ちゃいましたね・・・。うちも対応外でした。すみません!(現在対応済)
でも他の選択肢から消去法でも当てられる問題です。
04.公的介護保険へリンク

問 3

易問

ついにリモートワークの選択肢が出てきましたね。答えはわかりやすく1番です。労働者はすべて対象になります。
05.労働者災害補償保険(労災)へリンク

問 4

普通問

この問題は結構やらしいですねー。1は一見当たっているように見えて60歳の給料の15%支給って言ってますね。んなわけあるかーい。
3の67%は支給額ですよね。4の1年6ヶ月ってすごいよくあるけど、パパママは1年2ヵ月なんですよね。正解は2。
この問題は引っかかった人多いんじゃないかなー。良問ですよね。06.雇用保険へリンク

問 5

普通問

申請先の問題なんて出す?!そんなんいざ利用するってなったらわかる事でしょ?!当サイトも対応外でした!すみません(現在対応済)
1は扶養義務者の収入は関係ないです、3は3年度目以降から加算額が出ます、4は学生ならばほとんどOKです。正解は2。
07.公的年金制度[全体像]へリンク

問 6

難問

これは私は難しかったなー。テキスト横断型問題。
1は夫が55歳じゃないとダメ。これはわかりやすいので夫55は覚えてください。
2は経過的寡婦加算が余計ですね。ご年配向けなんでこれは。
3は寡婦年金は60~65歳のつなぎを助ける制度です。
4は正解ですが、「遺族」には優先順位があるので、少し情報が足りなく感じるんですが・・・。
11.遺族基礎年金12.遺族厚生年金

問 7

易問

公的年金のような事言ってる3番が不適切ですね。14.さまざまな私的年金等①へリンク

問 8

難問

この問題は予測外でした。経理担当の方だとピンと来るのかなぁ。4が不適切ですが、何も知らないと当たってるように見えちゃいますね(。-`ω-)
22.決算書の分析へリンク

問 9

易問

bとcは論外ですね。共済や少短業者以外の国内の保険会社は加入義務があります。aは、うろ覚えだと「あ!これかも!」と思ってしまうんですが、80%は自動車保険や火災保険等なんですよね。「0(なし)」にチェックするのが怖いですが、4番です。
01.保険契約者保護機構へリンク

問 10

難問

この問題、言ってる意味がわからなくて。そもそも転換契約は他社とはできないので2は不適切って事でいいんですかね?迷彩が過ぎるなぁこれは。
転換契約は2級サイトのほうに解説があります。02.生命保険の基礎知識(FP2級Wiki)へリンク

問 11

易問

1が不適切で、判断に迷う問題ですが、高度障害しか保障しないので障害の程度には応じないですね。死に等しい状況であるということね。難しいね。
03.生命保険等商品へリンク

問 12

普通問

変額個人年金(一時払)がキモですね。これは年金って書いてあるのに生命保険の控除になります。そして年金みたいな10年以上の払込期間も必要ありません。これで4万。医療保険は10年後に更新しているので新制度で4万。年金は税制適格特約で対象で4万。この人は最高額の12万ですね。
04.生命保険料控除へリンク

問 13

易問

3。これは簡単ですかね。加害者の過失割合が少ないからって減額されるのは亡くなった方が悲惨すぎますもんね。08.自動車保険へリンク

問 14

普通問

この問題はいつもややこしいんですよねー。色んなパターンがある。1が適切です。当サイトで勉強してね。11.(法人)損害保険の経理処理へリンク

問 15

普通問

全部適切。労災が少し掘り下げてるので難しいですかね。PL保険は作ったモノに問題があって損害が出たときのものですね。

09.傷害保険と賠償責任保険へリンク

問 16

易問

1はCIの説明が混ざってる感じですね。先行系列は11で適切です。02.景気・物価指標へリンク

問 17

難問

この問題も初出。正解は1になります。保管方法について新たにまとめました。試験回を重ねるごとに金投資の問題は深堀されてきてますね。
14.金投資へリンク

問 18

易問

この問題はだいぶ今までと言い回しを変えてきています。1も後半の書き方がなんか不安にさせますし、2も表現を変えてきてます(言ってることは同じなんだけど)。4もこういう表現はしてこなかったですね。3、インバースは「逆」という意味なので下降局面での利益を目指します。混乱させる文章で攻めてきていますが、でも本当は基本的な問題。
03.投資信託の販売商品(運用側)へリンク04.投資信託の販売商品(顧客側)へリンク

問 19

易問

利回りの問題というか発行価格の問題でしたね。オーバーパーは高く買わされてますから、最終利回りは低くなりますね。cだけがハズレです。
06.債券の特徴へリンク

問 20

易問

やりましたね!出ました定率成長モデルの成長率求めるヤツ。
うちのサイトは完全対応でした!うれしくなります。正解は2。
12.配当割引モデル計算へリンク
計算過程:
①xを左に持ってくる、35÷(0.05-x)=1000
②xを分母から分子に移動する、(0.05-x)÷35=1÷1000
③x側の分母を消す(0.05-x)×35÷35=1×35÷1000
④0.05-x=0.035
⑤-x=0.035-0.05
⑥-x=-0.015
⑦x=0.015
(私は義務教育受けてないに等しいのでこれが最短かはわかりませんwww)

問 21

易問

4番が正解。
これも海外投資のページで対策はOKです。この辺の計算問題は定番です。
13.海外投資へリンク

問 22

易問

4が不適切。
これはオプション取引の問題。ペイヤーズは金利上昇時にヘッジとなります。下降時はレシーバーズですね。レシーブって落ちてくるのを拾うイメージありますよね。そうやって覚えましょう。答えは項目18にありますが、オプション取引は小難しいのでもう一回3項目を復習してみてください。
16.先物取引17.オプション取引18.店頭デリバティブ取引

問 23

易問

うちのサイトでは詳しい計算式までは載せていないんですが、05.投資信託の実務を参考にしてください。
Aさんは3月期まで個別元本を割っていないので、そのまま11,000円で2022年を迎えています。この年の3月期で初めて10,800円になったので、この年は600円のうち200円は特別分配金で非課税。400円のみ20.315%が発生するので、600円-81円になり、519円。正解は2です。
収益分配金の問題は混乱しやすいように見えますが、算数としては簡単な式なんですよね。点を取りやすいので押さえておいた方がいいジャンルです。

問 24

普通問

正解は1。偽造か盗難かで補償が変わってきますね。cだけ正解なんですが、言い回しがややこしくしてありますね(*´Д`)
26.金融関連法規へリンク

問 25

易問

こたえは4番の0になります。bとcは認められず✕。aはいずれかの「低い方」になります。これまた0を選ぶのは勇気がいるので、aを〇と思って1を選んじゃった人、いるんじゃないかなぁ。自分を信じましょう・・・(ノД`)・゜・。
03.不動産所得・事業所得へリンク

問 26

易問

これは2番が正解ですね。広告スペースを貸し付けているワケですから立派な不動産所得です。
1は立退料は認められず、3は限度なしの全額、4は、4は・・・なんだよ国外中古建物の特例って、初見じゃないのさ。
よくわからなくて4に〇しちゃった人も多いかもなぁ・・・。対応できてなくてすみませんでした(ノД`)・゜・。
03.不動産所得・事業所得07.損益通算・繰越控除18.不動産賃貸と不動産収支

問 27

易問

この問題は09.所得控除を基本にして学習してください。特別徴収されてるとその人の控除になります。2が不適切。

問 28

易問

この問題も09.所得控除で学習できます。ひとり親は段階的に減少しません。4が不適切。

問 29

易問

aだけ不適切。2分の1後の金額で判定します。よって適切なものは2つ。11.確定申告・青色申告

問 30

易問

1が不適切でe-taxの改正は新しいのですが、消去法でたどり着けるハズ。
ちなみに1億円超が義務付けられています。
13.法人税の概要&青色法人特典で学べます。2,3,4は基本的な問題です。

問 31

普通問

3が不適切。その他の株式は50%ですね。数字が多く出てくると記憶力が不安になりますね。
14.益金

問 32

易問

不適切は2番。課税売上高の多寡にかかわらずということはありません。21.消費税

問 33

普通問

DX投資促進税制きたー!っと思いガッツポーズだったんですが、ここまで詳しく出るとは思ってませんでした(ノД`)・゜・。
でも当サイトで勉強した方なら答えに辿り着けるハズ!そう!3番は50%じゃなくて30%ですよねっ♪
17.(法人)税額控除・特別償却

問 34

難問

これ難問ですね。1は差押が乙区に来ていることに気づければ2と4の二択になりますね。2は一見適切なんですがこれは抵当権の説明ではなく所有権の説明です。意地悪です。01.不動産登記

問 35

易問

これは契約不適合責任の問題ですね。すべて〇になるので、3を選択する勇気がないと落とします(; ・`д・´)
03.不動産売買の注意点

問 36

易問

建物譲渡特約付借地権は居住用でも構わないです。2が不適切。

問 37

易問

開発許可を受けた者に相続が発生した場合、被相続人が承継した場合は手続き不要で引き継がれます。4が不適切。
07.都市計画法

問 38

易問

天空率により計算した採光等が同程度以上あれば各斜線制限が適用されなくなりますが、日影規制は適用されます。
逆の言い方をすると日影規制には天空率を適用しません。ここややこしいので良く問題になります。4が不適切。
08.建築基準法(道路・用途・高さ)

問 39

難問

相続や法人合併のような形式的な移転は非課税となるが、遺贈や死因贈与などの目的を持ったものは課税されます。
それぞれの選択肢が難しく、正解を選ぶのはなかなか難しいかも。1が適切。
12.不動産の取得と保有にかかる税金

問 40

難問

不適切は1番。譲渡対価が1億円以下、相続から譲渡までに利用しない事などが条件で、この場合分筆しているので問題ありません。
14.居住用財産の譲渡の特例

問 41

易問

適切なものはbとcの2つ。aは更地返還なので負担は事業主のほうですね。
20.土地の有効活用手法05.借地借家法

問 42

易問

これは定番問題。4番です。方法は当サイトをご参考に。
01.贈与と法律・贈与税

問 43

易問

通称おしどり贈与は持分の敷地面積分を最大限控除に利用できます。1の答えも間違いやすいですが、不動産は1月1日のイメージありますが、贈与時点で20年ならOKです。3が適切。
04.贈与税の配偶者控除

問 44

易問

1が不適切。検認しないで開けちゃうと罰せられますが、遺言書は有効です。常識的な考えで解りそうな問題です。
08.遺言書

問 45

難問

最近特別寄与料が良く出ますね。当サイトもここまでは深堀していなかったので今回に合わせて対応しました。4が適切。

問 46

普通問

支給が3年を越えても、確定が3年以内であればその退職金は相続税の対象です。この問題は意外と良く出ます。3が不適切。
13.相続税の課税財産と非課税制度
選択肢4については・・・もう出ないでしょう。きっと。

問 47

易問

この家系図は孫Gさんがカギですね。孫Gさんは養子かつ代襲相続人ですので2割加算は対象外。法定相続分の計算時には代襲の分と養子の分とで2人分になるのでこどもは5人いるものとして計算しますので長女Dは10分の1。基礎控除は実際の人数で数えますので3000万+600万×5人です。この問題は解いておかないとFP1級は名乗れませんね。正解は1。
06.相続分・寄与分・特別受益・養子縁組14.相続税の算出と納付税額

問 48

易問

3が不適切。相続税の加算税には無申告加算税と延滞税があります。このケースだと税務調査が及ぶ前に自分から申告しているので延滞税の対象となります。申告してるのに無申告加算税ってことはないよなぁってなんかわかりますよね。
15.相続税の申告と納付

問 49

難問

1が不適切。資本金3000万円以下という条件はないですね。個人事業主版もあるので合わせて覚えましょう。
09.遺留分

問 50

難問

この問題は完全にノーマークでした。1が不適切です。資産保有会社は適用に条件があり、そのひとつが「常勤5名以上」となっています。
16.中小企業・個人事業主の納税猶予と免除

基礎編まとめ

今回、定番問題が多く出題され、元々のFP試験に戻ったような雰囲気です。
ただ、相変わらず初出の問題もちりばめられ、さらに表現方法を変えてくるうろ覚え切りの良問も多数見られ、
バラエティに富んだ試験だったように思います。

集計 易問:30 普通問:10 難問:10

やはり難問が2割ありました。私は特に意識して選別してませんが、やっぱりそうなるんですよね。良くできています。
ただ定番問題が多かったので易問が多いです。基礎をしっかり押さえておければ60点は堅い試験でしたね。
さらにその定番問題のなかでも計算問題は定番中の定番でした。
計算問題はパターンが決まっていますので、実は加点しやすい問題です。何度も繰り返し解いて暗記しましょう。

定番問題も表現を変えてきているので焦っているとハズします。教科書丸暗記だと、同じ言い回しで出てこないとピンとこないことも多いです。
FPWikiではできるだけ意味が正しく理解できるように掘り下げて解説しています。表現を変えられても対応できるような知識を身につけましょう。

さて、次回は応用編の解説です。応用編はこちら→2022年5月実施FP1級学科試験分析(応用編)

2022年5月実施FP1級学科試験分析(基礎編)” に対して1件のコメントがあります。

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