相続税の算出と納付税額|FP1級Wiki

相続税計算の仕組みを理解します。FP1級試験応用編では、相続税の計算が大きなヤマとして出題されることがあります。そちらについては当サイトの応用編対策の相続税の総額計算で特化したご案内をしていますのでよろしくお願いします。ここでは基礎編出題対策として全体像を理解してください。

課税遺産総額

課税価格

課税価格(千円未満切捨て)=取得財産額-(債務+葬式費用)+生前贈与加算

基礎控除と課税遺産総額

課税遺産総額=課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額

遺産に係る基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

法定相続人の数

相続放棄をした者も含めて数える。
また、養子がいる場合、被相続人に実子がある場合は1人まで、実子がない場合は2人まで数に入れる。

実子とみなされる者

  • 特別養子縁組で養子になった者
  • 被相続人の配偶者の実子で被相続人の養子となった者(連れ子養子)
  • 代襲相続人(孫でも納付時に2割加算しない)

相続税の総額の計算方法

相続税額を計算する場合、遺産を実際にどう分けたのかは関係なく、課税遺産総額を被相続人の法定相続人が、その法定相続分に応じて取得したと仮定して、各人の相続税額を割り出し、それを合計して相続税の総額とします。

各法定相続人の取得金額(千円未満切捨て)=課税遺産総額×各人法定相続分

相続税の総額(百円未満切捨て)=(各法定相続人の取得金額×税率※)の合計

※税率表は応用編対策ページ参照

各人の算出税額

按分割合

各人の按分割合=各人の課税価格÷課税価格の合計額

算出税額

各人の算出税額=相続税の総額×按分割合

納付税額の計算

相続税額の2割加算

相続財産を取得した者が1親等の血族(代襲含む)および配偶者以外の者は相続税額に2割加算する。孫養子も2割加算となる。代襲の孫は加算対象外。

暦年課税時の贈与税額を、相続税から控除する

相続開始前3年以内に贈与を受けている場合、相続の課税価格に加算される。その場合、その者の相続税額から贈与時に支払った贈与税額が控除される。その際、相続時精算課税制度とは違い、控除しきれない額は還付されない。

配偶者に対する相続税額の軽減

被相続人の配偶者が取得した財産が、次の金額のどちらか多い金額までは配偶者に相続税はかからないという制度です。
本制度適用には申告が必要です。

(注) この制度の対象となる財産には、仮装又は隠蔽されていた財産は含まれません。

  • 1億6千万円
  • 配偶者の法定相続分相当額

つまり相続人が配偶者のみの場合は相続税はかかりません。

相続税の申告期限までに分割されていない財産は税額軽減の対象になりません。
 ただし、申告期限までに分割されなかった財産について3年以内に分割したときは、税額軽減の対象になります。
 なお、相続税の申告期限から3年を経過する日までに分割できないやむを得ない事情があり、税務署長の承認を受けた場合で、その事情がなくなった日の翌日から4か月以内に分割されたときも、税額軽減の対象になります。また、配偶者に婚姻期間の要件は特にありません。相続を放棄した配偶者制限納税義務者である配偶者も本制度適用対象者です。

未成年者控除

財産を取得した者が、居住無制限納税義務者か非居住無制限納税義務者の法定相続人で、かつ未成年である場合、未成年者控除が適用されます。

未成年者控除額=(成人年齢-相続開始時年齢)×10万円

※年数に1年未満の期間があるときは切り上げて1年として計算します。

この場合で、控除額が納付相続税額を超える場合には、その者の扶養義務者の相続税から差し引くことができる。
控除を受ける未成年者が2割加算対象者だった場合、先に2割加算をして、そのあと控除を行う。

障害者控除

財産を取得した者が、居住無制限納税義務者である法定相続人の場合で、かつ障害者である場合に障害者控除が適用されます。

障害者控除額=(85歳-相続開始時年齢)×10万円(特別障害者は20万円)

※年数に1年未満の期間があるときは切り上げて1年として計算します。

この場合で、控除額が納付相続税額を超える場合には、その者の扶養義務者の相続税から差し引くことができる。

相次相続控除

10年以内に被相続人が相続財産を取得していた場合に、被相続人から相続した者の税額から一定の算式で出た金額が控除される。

外国税額控除

外国にある財産を相続し、外国で相続税にあたる税金を払う場合に一定の算式で出た金額が控除される。

相続時精算課税分の贈与税額控除

制度を利用し生前贈与された財産について課された贈与税額がある場合、その税額を控除できる。個人の納付税額を計算する問題の場合に最後引くことができます。過去に納めてる分なのですから当然といえば当然ですね。相続時精算課税制度の場合はさらに控除しきれない分は還付される。暦年課税制度の場合は還付されないので注意。

外部リンク:国税庁

それでは過去問を解いてみましょう。2019年1月試験 学科 問46

相続税の税額控除等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 被相続人の配偶者が「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けた場合、原則として、配偶者が相続または遺贈により取得した財産の額が1億6,000万円と配偶者の法定相続分相当額とのいずれか多い金額までであるときは、配偶者が納付すべき相続税額は算出されない。
  2. 相続税額の計算上、未成年者控除の適用を受ける未成年者が相続税額の2割加算の対象となる場合、未成年者控除額は、その者の相続税額にその相続税額の100分の20に相当する金額を加算した後の金額から控除する。
  3. 障害者控除額は、相続人が特別障害者に該当する場合、20万円にその者が85歳に達するまでの年数を乗じて算出され、85歳に達するまでの年数に1年未満の端数があるときは、これを1年として計算する。
  4. 父の相続により財産を取得して相続税を納付した子が、父の相続開始後10年以内に開始した母の相続により財産を取得して相続税を納付する場合、相次相続控除の適用を受けることにより、相続税額の計算上、父の相続時に子が納付した相続税額の一部を控除することができる。

.

.

.

解答

Wiki技能士

相次相続なのに父の相続時に子どもが払った分を控除しようとしています。控除できるのは母が払った分です。
1は、いずれか多い方です。適切。
2は、R4年度から18歳までになりますね。つらいところです。
3も適切です。手厚い優遇があります。

相続税の算出と納付税額