自動車保険|FP1級Wiki

強制保険の自賠責保険。ドライバーの任意で加入する任意保険が主となります。ノンフリート契約の等級制度が良く出題されますので覚えましょう。

自賠法(自動車損害賠償保障法)

自動車での人身事故での損害賠償を保障する制度。被害者の保護を図り、自動車運送の健全な発達を目的としている。

民法の規定に優先され、被害者側の立証責任を免除し、加害者側に移している。
加害者側は過失がないこと(無過失責任)を立証しない限り賠償責任を免れることはできない。
その条件は下記の3つです。

  • 運転に関して注意を怠ることが無かった
  • 被害者自身だったり、第三者に故意や過失があった
  • 自動車に欠陥が無かった

政府の自動車損害賠償保障事業

ひき逃げで加害者がわからない事故、盗難車での事故など、自賠責保険の免責事項でも、被害者は政府の保障事業に直接請求すれば自賠責保険と同額の補償を受けることができる。この場合の受付窓口は損害保険会社になる。
自賠責保険の被害者請求と同様に時効は、死亡保険金は死亡日、後遺障害保険金は症状固定日、傷害保険金は事故発生日からそれぞれ3年である。

政府の保障事業は本来の自賠責保険の代わりを救済的に担うものなので下記の異なる点がある。

  • 時効の中断は認められない
  • 加害者からの請求は当然認められない
  • 仮渡金は認められない
  • 被害者が健康保険や労災保険から給付を受け取れる場合はその額分は補償額から差し引かれる

重過失減額

自賠責保険の保険金、政府補償の損害てん補、どちらも全額支払われるが、被害者側に重大な過失が認められる場合には減額される。

後遺障害または死亡

減額適用上の被害者の過失割合減額割合
7割未満減額なし
7割以上8割未満2割減額
8割以上9割未満3割減額
9割以上10割未満5割減額

傷害に関するもの

減額適用上の被害者の過失割合減額割合
7割未満減額なし
7割以上2割減額
傷害による損害額が20万円未満の場合はその額とし、減額により20万円以下となる場合は20万円とする。

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)

自賠責保険は強制保険なので、原動機付自転車を含むすべての自動車は加入が義務付けられている。
とにかく被害者保護が目的。
加入せずに自動車を運行した場合は50万円以下の罰金または1年以下の懲役に処される。

補償額

補償については対人賠償に限定しており、
死亡保険金3,000万円または後遺障害保険金最高4,000万円、別枠で傷害保険金120万円を最高限度としている(被害者1人当たり)。

特徴・注意点

  • 被害者保護なので相手が飲酒運転・無免許運転でも補償
  • 任意保険とは異なり、被害者が父母、配偶者、子であっても補償対象(判例がある)
  • 何度事故を起こしても保険金が減額されることはない
  • 政府補償事業とは違い、被害者請求と加害者請求があり、仮渡金の制度もある
  • 保険料は自動車の車種や車検期間に応じて定められ、保険会社や運転者の年齢などの差はない
  • 複数台の自動車事故(共同不法行為※という)において被害者となった場合、自賠責保険で支払われる保険金の限度額は、加害者の有効な自賠責保険契約の保険金額を合算したものになる(2倍もらえるという意味ではない)。

※共同不法行為と初めて聞いたときに、私は暴走族的なものをイメージしたが、過失があるもの同士で事故を起こすことを言うそうです。

任意保険

任意保険とは民間の保険。以下のものを組み合わせた保険で、いろいろな種類がある。

保険の種類

対人賠償保険

事故の被害者を死傷させ損害賠償責任を負った際に自賠責保険の不足額を補填し、超過分について1事故に複数の被害者がいる場合はそれぞれに相応の保険金額が支払われる。飲酒運転でも無免許運転でも可。

  • 何度事故を起こしても減額されることはない
  • 被保険者、その父母、配偶者、子は補償されない。兄弟姉妹は対象。対物賠償保険についても同様の範囲。

対物賠償保険

他人の物を壊し、法律上の損害賠償保険を負った場合に損害額を補填する。
1事故での保険金は保険金額を上限とし、飲酒運転、無免許運転の事故も補償する。

自損事故保険

自賠責保険や政府補償事業では補償されない事故で、搭乗者が死傷したときの補償をする。
死亡保険金や後遺障害保険金、医療保険金の金額は社会保障給付や他の保険契約とは関係なく定額払いになる。
人身傷害補償保険に組み入れられるタイプもある。

搭乗者傷害保険

搭乗者全員の死傷による損害を補償し、死亡保険金や後遺障害保険金、医療保険金を定額で支払う保険。

無保険車傷害保険

任意保険に入ってない相手等との交通事故で、運転者や同乗者の死亡や後遺障害等を補償する。
事故相手が無保険車であったり賠償資力が低いときに、相手側からの損害賠償金を補填する。
保険金額は対人賠償保険と同額(無制限の場合は2億円)。人身傷害補償保険に組み入れられるタイプもある。

車両保険

事故による車両損害に対して補償する。飲酒運転や無免許運転は補償(免責)しない。
通常、保険金が支払われる場合には免責金額(自己負担分)が発生するが、全損の場合には免責金額はない。
補償タイプがいくつかあり、一般条件が名前の雰囲気に反して1番補償範囲が広い。

<補償タイプ>

  • 限定:火災・台風・高潮・洪水・盗難等のみ
  • 車対車+A:上記に加え、他車との事故を含む
  • 一般条件:上記に加えさらに単独事故や当て逃げも含む。

人身傷害補償保険

自動車事故全般での被保険者や同乗者の死傷等に対して補償する(つまり相手方ではなく自分側の補償)。他の車に乗車中だったり歩行中での自動車事故も含む。自己の過失部分に関係なく、契約保険金額を上限にした損害額全額について、示談成立前に保険金が支払われる。

事故には過失割合があるため、それによって相手からの補償が足りない場合や、そもそも相手がいない自損事故などの発生に備えるための保険です。

契約実務

保険料は、用途車種、保険種類、料率クラス、車両の装置や装備、保険金額、免責金額で決定される。
最近ではリスク細分型保険があり、年齢や免許証の色、使用目的、年間走行距離、地域などで割引がある(よくあるCMの通販型とかコレ)。
ノンフリート契約とフリート契約というのがある。条件が異なり割引率も異なる。

簡単にいうと、ノンフリートが自動車単位、フリートが契約者単位の契約ということ。

ノンフリート契約

  • 契約台数が9台以下の制度
  • ノンフリート等級(1等級~20等級)まであり、事故の有無などで更新後の等級が変わり、割引率も変わる。20等級が一番割引率が高い
  • 通常6等級からスタートする(契約条件によっては7等級からスタートする場合もある)
  • 対人対物事故で自動車保険を使用すると3等級下がる
  • 車の盗難、台風、洪水、窓ガラスの破損など車両保険のみを使用した場合、1等級下がる
  • 人身傷害補償保険や搭乗者傷害保険等の特約のみを使用した場合は、ノーカウント事故として通常どおり1等級上がる
  • 自動車を手放した際には契約の中断制度がある。中断証明書の発行を受ければ最大10年間、等級の引継ぎができる

フリート契約

  • 契約台数(1年以上のリースカーも含む)が10台以上の制度
  • 保険会社が複数に分かれていても合計して10台以上なら必ずフリート申請が必要
  • 基本保険料は年齢条件は適用されず用途車種別基本保険料を適用する
  • 割増や割引は契約者単位。一定期間の損害率で適用する、優良割引率(割引)と第一種デメリット料率(割増)がある
  • 所有・使用自動車を1保険証券で同時に付保する場合はフリート多数割引が適用される

外部リンク:㈳日本損害保険協会

それでは過去問を解いてみましょう。2019年5月試験 学科 問13

任意の自動車保険(保険期間1年)のノンフリート等級別割引・割増制度において、次の事故のうち、一般に「ノーカウント事故」に該当するものはいくつあるか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。

  1. 人身傷害(補償)保険の保険金のみが支払われた事故
  2. ファミリーバイク特約の保険金のみが支払われた事故
  3. 自動車の盗難により車両保険の保険金のみが支払われた事故
  4. 自動車の走行中に飛び石で窓ガラスが破損したことにより車両保険の保険金のみが支払われた事故
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 4つ
解答

Wiki技能士

自動車保険の項目では実際の状況をイメージすることが有効です。

車両に絡まないものは基本ノーカウント事故になるので、
1と2はノーカウント。2つが正解です。