障害基礎年金と障害厚生年金|FP1級Wiki

受給の要件と支給額の算定がポイントです。基礎と厚生で微妙に条件が違うので、そこが罠かもしれません。

障害基礎年金の受給要件

障害基礎年金を受給するには3つの要件があります。

  • 国民年金の被保険者期間中に初診日がある事。ただし、20歳未満や60歳~65歳未満(つまり年金加入期間外)に国内在住で初診日がある者も含みます。
  • 保険料納付要件を満たしている事。
  • 障害認定日に障害等級1~2級に該当する事。

障害認定日とは、初診日から起算して1年6カ月を経過、もしくはそれより前に傷病が治ったならその日となる。

障害厚生年金の受給要件

3つの要件を満たせば厚生年金保険の被保険者でなくても支給される。

  • 初診日が厚生年金保険の被保険者期間内であること
  • 保険料納付要件を満たしている事
  • 障害認定日に障害等級1~3級に該当する事

保険料納付要件

初診日の前日において、次のいずれかの要件を満たしていることが必要です。
ただし、基礎年金は20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件はありません。

  1. 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
  2. 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと(2026.4.1前に限る)
       

障害給付支給額

障害基礎年金

  • 1級:老齢基礎年金の満額×1.25倍+子の加算額
  • 2級:老齢基礎年金の満額+子の加算額

子の加算額は、1人目と2人目はそれぞれ234,800円、3人目以降は1人あたり78,300円】

20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限

20歳前に傷病を負った人の障害基礎年金については、年金の加入を要件としていないことから、年金の支給に関して制限や調整があります。
支給停止となる期間は、10月から翌年9月までとなり、毎年見直されます。
また、恩給や労災保険の年金等を受給しているときも、その受給額について障害基礎年金の年金額から調整されます。

前年の本人所得額支給内容
4,721,000円を超える全額停止
3,704,001円~4,721,000円2分の1の年金額停止
3,704,000円以下全額支給
1級も2級も条件は同じです。

障害厚生年金

  • 1級:2級の1.25倍+配偶者加給年金額
  • 2級:老齢厚生年金の報酬比例部分の計算で算出した金額(期間300月未満の場合は300月)+配偶者加給年金額
  • 3級:2級と同様の金額(配偶者加給年金は無し)

障害厚生年金は、初診日から5年以内に病気やケガが治り、3級よりやや軽い程度の障害が残った場合は障害手当金が一時金で支給される。金額は「障害厚生年金の報酬比例部分の額×2年分」。
配偶者加給年金額はR6年度234,800円。65歳未満の配偶者(所得要件850万円未満)がある期間(結婚が後でも良い)支給される。
障害厚生年金は、障害認定日以後の被保険者期間は年金額の計算に含まれない。

失権

以下の場合に失権となる。

  • 受給権者が死亡した時
  • 障害者から外れて3年経過した日
  • 65歳以上になったとき

外部リンク:日本年金機構

       

それでは過去問を解いてみましょう。2021年5月試験 学科 問5

公的年金制度の障害給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 障害厚生年金の支給を受けるためには、傷病に係る初診日および障害認定日において厚生年金保険の被保険者であり、かつ、その障害認定日において障害等級1級、2級または3級に該当する程度の障害の状態でなければならない。
  2. 障害認定日とは、原則として傷病に係る初診日から1年6カ月を経過した日とされるが、その期間内に症状が固定して治療の効果が期待できない状態に至った場合は、その状態に至った日とされる。
  3. 障害等級2級に該当して障害厚生年金の支給を受けている者が婚姻し、所定の要件を満たす配偶者を有するに至った場合は、所定の手続により、その至った日の属する月の翌月分から当該受給権者の障害厚生年金に加給年金額が加算される。
  4. 障害等級3級に該当する者に支給される障害厚生年金の額は、障害等級2級に該当する者に支給される障害基礎年金の額(子に係る加算額を除く)の4分の3相当額が最低保障される。

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解答

Wiki技能士

これは超意地悪問題。
初診日が厚生年金の被保険者期間であれば障害認定日は被保険者から外れていても構わないという事です。
1~3級の文章に気を取られてしまうし、とにかく難問です。