フラット35 | FP1級Wiki

住宅ローンの代表格としてFP1級学科試験の基礎編で良く出題されます。複数のバリエーションがあるので押さえておきましょう。
また、2022.4月に基準変更、2022.10月からは住宅の性能や長く住んでいくための配慮の状況等に応じて金利の引下げ幅及び引下げ期間が変わりました。

       

フラット35(基本形)

民間金融機関が証券化して住宅金融支援機構が保証を行う仕組みはフラット35(保証型)という。

融資条件・建設費や購入価額についての制限はなくなりました
・技術基準を満たした適合証明書が必要※
・土地の取得時期は借入申込日の前々年度の4月1日以降まで
・新築中古問わず(1981年5月以前築は耐震評価基準に適合すること)
・店舗併用住宅可(住宅部分が2分の1以上を占めること)
・親族居住用やセカンドハウスも可
・戸建:床面積70㎡以上(敷地面積要件なし) マンション:専有面積30㎡以上
・保証人、保証料ともに不要
・他の住宅ローンとの併用も可
融資限度原則、100万円~8,000万円(建設に掛かった費用以上はムリ)
(敷地建物以外で融資に含められる費用)
・契約書、請求書、領収書などで確認できる一定の費用
・住宅診断費用・融資手数料・仲介手数料・マンション修繕積立一時金・登記
(登録免許税、司法書士報酬、土地家屋調査士報酬)にかかる費用・火災保険料(積立型火災保険除く)・地震保険料
(借換えの場合)
借換えの場合も条件はほぼ同じだが、
「借換えの対象となる住宅ローンの残高(所定諸費用を含む)」
または「機構による担保評価の額の200%」のいずれか低い額まで
収入基準年収400万円未満:年間返済額は年収の30%以下
年収400万円以上:年間返済額は年収の35%以下
※いずれの場合も他の借入金を含める
金利・全期間固定(融資実行時点の金利が採用される)
・建設費等に対する割合が9割を超えると全体の金利が高くなる
・返済期間21年以上は全体の金利が高くなる
・金利や手数料は各金融機関ごとに異なる
返済期間15~35年の1年単位(60歳以上は10年から可能)
80歳に達するまでが限度(年齢端数切上げ)
※親子リレーの場合は子どもの年齢
借換融資の場合は、最長50年に伸びます。
返済方法元利均等返済(月々の支払額が同じ)もしくは元金均等返済(最初が高い)
ボーナス返済は融資額の40%以内
繰り上げ返済は100万円以上で手数料不要(住宅金融支援機構のHPでやると10万から可能)1カ月前までに手続きが必要。
担保設定住宅金融支援機構が第1順位の抵当権を持つ

※築年数10年以内で「新築時に長期優良住宅の認定を受けた住宅」「新築時にフラット35を利用した住宅」「中古マンションらくらくフラット35に該当」などの対象物件であれば適合証明書を省略できる

       

金利引継特約付き【フラット35】

金利引継特約付きフラット35とは、フラット35の返済中に長期優良住宅を売却する場合に、その住宅を購入する方にフラット35の債務を引き継ぐことができる住宅ローンです。
金利引継特約付きフラット35をご利用された方が、借入対象となる住宅を売却する際もフラット35の債務を引き継ぐことができます。

利用条件・長期優良住宅の認定を受けた住宅に限る
(その他のご利用条件は通常の【フラット35】と同じです)
注意点・金融機関によっては取扱いしていない場合がある
・住宅購入者の同意が必要
・住宅金融支援機構の審査がある
・金利引継特約付きフラット35は借換えには利用できない

フラット35S

フラット35Sとは、長期優良住宅など、省エネルギー性、耐震性、耐久性、可変性、バリアフリー性など質の高い住宅を取得する場合に、借入金利を一定期間引き下げる制度です。技術基準はA>B>通常の順番で、優遇期間が変わる。
2022.10よりZEHプランが加わりました。

ZEHプラン当初5年間フラット35金利から0.50%、6~10年目は0.25%引下げ
金利Aプラン当初10年間フラット35金利から0.25%引き下げ
金利Bプラン当初5年間フラット35金利から0.25%引き下げ
その他注意点・土砂災害特別警戒区域内の新築住宅は対象外
・新築住宅の建設・購入および中古住宅の購入の際に利用できる
・フラット35借換融資には利用できない
・フラット35リノベとの併用はできない
・フラット35地域連携型、フラット35地方移住支援型と併用できる
       

フラット35リノベ

【フラット35】リノベとは、以下の2つの場合に、利用する際の借入金利を一定期間引き下げる制度です。

・中古住宅を購入して一定の要件を満たすリフォームを行う場合(リフォーム一体タイプ)

・住宅事業者により一定の要件を満たすリフォームが行われた中古住宅を購入する場合(買取再販タイプ)

フラット35の技術基準に加えて「一定の要件を満たすリフォームを行うこと」および「中古住宅の維持保全に係る措置を行うこと」が必要。

金利Aプラン当初10年間フラット35金利から0.5%引き下げ
金利Bプラン当初5年間フラット35金利から0.5%引き下げ
取り扱いは一部の金融機関に限られる
       

フラット35地域連携型

住宅金融支援機構と連携のある地方公共団体から補助金交付等の財政的支援が受けられる住宅が対象。利用には地方公共団体から「フラット35地域連携型利用対象証明書」の交付を受ける必要がある。
地域連携型には複数のバリエーションがあり、対象となる地方公共団体も異なる。

地域連携型の事業概要

・子育て世帯が住宅を取得する場合

・Uターン、Iターン、Jターンをきっかけに住宅を取得する場合

・居住誘導区域外から区域内に移住する際に住宅を取得する場合

・空き家を取得する場合

・防災・減災対策(住宅不焼化、克雪など)の住宅を取得する場合

子育て支援・地域活性当初5年間フラット35金利から0.25%引き下げ
地方移住支援型当初10年間フラット35金利から0.30%引き下げ

※Sタイプ、リノベタイプと併用可能

フラット35維持保全型

以下の6つのいずれかに該当する住宅が対象になり、金利引き下げを受けられる。2022.4以降に適合証明書を受ける必要がある。

  • 長期優良住宅
  • 予備認定マンション
  • 管理計画認定マンション
  • 安心R住宅(中古でもリフォームの情報提供ができる住宅)
  • インスペクション実施住宅(中古だが調査で劣化事象等がない住宅)
  • 既存住宅売買瑕疵保険付保住宅

※Sタイプと併用可能

外部リンク:住宅金融支援機構(専用ページ)

       

それでは過去問を解いてみましょう。2020年1月試験 学科 問6

フラット35の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. フラット35の対象となる住宅は、申込者本人またはその親族が居住するためのもので、住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合し、かつ、建設費または購入価額が1億円以下のものとされている。
  2. フラット35の融資額は100万円以上8,000万円以下(1万円単位)であり、同一の取扱金融機関において、融資率が9割を超える場合の融資金利は、融資率が9割以下の場合の融資金利よりも高く設定されている。
  3. フラット35の返済方法は元利均等毎月払いまたは元金均等毎月払いであり、6カ月ごとのボーナス払いを併用する場合は、ボーナス払い部分の金額が融資額の40%以内(1万円単位)でなければならない。
  4. フラット35の一部繰上げ返済を返済先の金融機関の窓口で行う場合は、返済1カ月前までに当該金融機関に繰上げ返済の申出を行う必要があり、繰上返済手数料は不要で、返済することができる額は100万円以上とされている。

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解答

Wiki技能士

現在、建設費用や購入価額の制限はなくなっています。
ほかはすべて設例のとおりですね。

2022年03月01日