譲渡所得|FP1級Wiki

その種類により、総合課税になるものと分離課税が適用になるものとで分かれます。

譲渡所得の区分と課税方法

譲渡所得は、資産の種類や所有期間などにより次のように区分される。

土地建物等

譲渡の年の1月1日において5年超のものが長期譲渡所得、5年以下短期譲渡所得となる。どちらも申告分離課税

株式等

上場株式等に係る譲渡所得と一般株式等(非上場株など)に係る譲渡所得に分かれる。どちらも申告分離課税

一般の資産(ゴルフ会員権・書画・骨とう品・貴金属・事業用資産(土地建物をのぞく))

譲渡した時点で5年超が長期譲渡所得、5年以下が短期譲渡所得。総合課税になる。
また、個人が金地金を売却した所得も譲渡所得になります。ただし、営利目的で行っている場合には事業所得または雑所得になります。

一般の資産の譲渡

譲渡所得の金額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額[最高50万円]

なお、特別控除額(50万円)はまず短期譲渡所得から控除し、控除しきれない場合に長期譲渡所得から控除する。
一般の資産の譲渡所得は総合課税の対象となるが、長期譲渡所得はその2分の1が総所得金額に算入される。

取得日

  • ほかから購入した資産は、その資産の「引渡日」または譲渡契約の「効力発生日」いずれかを納税者が選択することができる。
  • 相続、遺贈によって取得した資産については、原則として被相続人(または遺贈者)が取得した日(限定承認を除く)
  • 贈与によって取得した資産については、原則として贈与者が取得した日

譲渡日

資産を相手方に引き渡した日、または譲渡契約の効力発生日のいずれかを納税者が選択することができる。

総収入金額と取得費、譲渡費用

総収入金額

譲渡所得に係る収入金額とは、その年において収入すべきことが確定した金額をいう。原則として譲渡価額=収入金額とされるが、その他以下のように定められている。

  • 贈与(法人に対するもの)、相続(限定承認)、または遺贈(法人に対するものまたは個人に対する包括遺贈うち限定承認)の場合は、贈与、相続または遺贈のあった時の時価が収入金額となる。
  • 法人に時価の2分の1未満で譲渡した場合(低額譲渡)は、その譲渡のあったときの時価が収入金額となる。

取得費

取得費の原則

取得費とは、原則として資産の取得に要した金額(取得価額)に、設備費と改良費を加えた合計額をいう。譲渡資産が家屋などのように、時間が経過することによって価値が減少する資産であるときは、取得価額、設備費および改良費の合計額から、その減価償却費相当額を差し引いたものが取得費とされる。

取得費=取得に要した金額(取得価額)+(設備費+改良費)-減価償却費相当額

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

相続等により資産を取得し、相続税額を納めた者が、その資産を相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年以内に譲渡した場合の取得費は、その資産の本来の取得費に、その者に課された譲渡資産に対応する相続税額の金額を加算することができる。

概算取得費

借家権等、通常取得費がないものとされる資産の譲渡をのぞき、譲渡所得の金額を計算する場合の取得費は、収入金額の5%相当額とすることができる。

概算取得費は応用編の計算問題で頻出です。「概算取得費=譲渡価額×5%」だけでも頭に入れておきましょう。詳しくは応用編対策

譲渡費用

資産の譲渡に要した費用とは、次のようなものをいう。

  • 仲介手数料、運搬費、登記・登録に要する費用など、譲渡のために直接要した費用
  • 立退料や土地、借地権を譲渡するため、その土地の上にある建物などを取り壊した場合の取壊し費用
  • すでに売買契約を締結している資産をさらに有利な条件で他に譲渡するため、前の契約を解除したことに伴い支出した違約金
  • 譲渡した資産の価値を増加させるために、譲渡に際して支出した費用

外部リンク:国税庁

それでは過去問を解いてみましょう。2020年9月試験 学科 問26

居住者に係る所得税の総合課税の対象となる譲渡所得に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 譲渡資産について、譲渡した年の1月1日における所有期間が5年以下であるものは短期譲渡所得に区分され、5年を超えるものは長期譲渡所得に区分される。
  2. 資産を個人に対して通常の取引価額の2分の1未満の金額で譲渡した場合、譲渡所得の金額の計算上、譲渡があった時の通常の取引価額を総収入金額に算入する。
  3. 同一年中に長期譲渡所得に係る譲渡益と短期譲渡所得に係る譲渡益がある場合、譲渡所得の特別控除額は、長期譲渡所得に係る譲渡益から控除し、控除しきれない金額を短期譲渡所得に係る譲渡益から控除する。
  4. 総所得金額の計算上、短期譲渡所得の金額はその全額を総所得金額に算入し、長期譲渡所得の金額はその2分の1相当額を総所得金額に算入する。

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解答

助手のウィキ子

1はすごく間違いやすいのですが、不動産の譲渡ではないので1月1日は関係ありません。譲渡時点です。固定資産とか自動車とかは年が明けた時点で持ってたかで判断するイメージですよね。
2は低い価額で譲渡しているのでそのままの金額でOKです。でも、法人が相手の場合は低額譲渡は時価が収入とされます。
3はまず税率の高い短期譲渡から引いてくれてそのあと長期を控除します。設例は逆になってますね。
4は設例のとおりで当テキストにもそのまま載ってますよね。いぇい('ω')ノ