法人と役員の税務|FP1級Wiki

役員と会社間の取引はあまり実感がないため覚えにくいです。ですが、基礎編でもたびたび出題されますし、その後の実技試験でも関係してきます。時価を基準として取引の際にどうなるのか。ここをポイントとしてください。

役員って言うとイメージしちゃうのはドラマに出てきそうな高層ビルの大企業のあれなんですけど、FP試験の中心はあくまで中小企業なので、イメージとしては親族会社で、身内の土地を会社に持たすのか、それとも貸す形にするかとかそういう風にイメージして読んでみてください。わかりやすくなります。

       

資産の売買

法人→役員へ譲渡

価格法人側役員側
低額譲渡時価との差額が役員給与役員給与とされ給与所得
(所得税・住民税)
高額譲渡時価との差額が受贈益差額は法人への寄付になる

役員→法人へ譲渡

価格法人側役員側
低額譲渡時価との差額が受贈益・時価の2分の1以上の譲渡は
そのままの価額での譲渡所得になる。
・時価の2分の1未満での譲渡は
時価での譲渡所得になり、
差額は法人への寄付になる。
高額譲渡時価との差額が役員給与 役員給与とされ給与所得
(所得税・住民税)

役員が得をすれば役員給与、法人が得をすれば受贈益となる。

       

資産の賃貸借

役員→法人への土地の貸付

通常権利金を授受すべき地域において、役員所有の土地の上に法人が建物を建てた場合。

行為法人の取扱い役員の取扱い
権利金の授受をしないで
建物の所有を目的とする
土地の賃貸借契約を結ぶ
借地権が寄付されたとみなされ、
借地権の受贈益が認定課税される。
役員側では何もない
もし権利金を受け取ったなら
不動産所得か譲渡所得になる。
権利金の授受に代えて
相当の地代を法人が払う
借地権の認定課税はない
相当の地代は損金算入
相当の地代は
不動産所得として
課税される
権利金の授受も
相当の地代もないが、
「土地の無償返還に関する
届出書」
を提出する。
認定課税を免れることができる役員側では何もにない
ちなみに相当の地代というのは年間で地価の6%相当と言われており、あまり現実的ではない。

法人→役員への土地の貸付

通常権利金を授受すべき地域において、法人所有の土地の上に役員が建物を建てた場合

行為法人の取扱い役員の取扱い
権利金の授受をしないで
建物の所有を目的とする
土地の賃貸借契約を結ぶ
借地権を役員給与
として支給したとなり、
法人側が借地権に係る
権利金に認定課税される
役員給与とされ給与所得
(所得税・住民税)
権利金の授受に代えて
相当の地代を役員が払う
認定課税はなく
相当の地代が益金算入
特に課税はない
権利金の授受も
相当の地代もないが、
「土地の無償返還に関する
届出書」
を提出する。
認定課税を免れることができる相当の地代と
実際の地代の差額
役員給与として給与所得
(所得税・住民税)
       

役員社宅の賃貸

社宅については、一定額以上の負担金を徴収しないと、法人が役員に経済的利益を与えたとされ、給与所得として所得税・住民税が課税される。

金銭の貸借

法人から役員への金銭の貸付

役員が法人から無利息または低利率で金銭を借りた場合、法人側は利息が認定課税される。役員側は本来の利息と実際の利息の差額給与所得となる。ただし、法人が金融機関の借入利率により貸しているなら、認定課税は行われず、役員側も給与所得にはならない。

役員から法人への金銭の貸付

役員が法人に貸付を行った場合、役員が法人から受け取る約定金利は雑所得として課税される。
なお、役員が法人に無利息で貸付をした場合、原則として役員に受取利息が認定課税されることはない

外部リンク:国税庁

       

それでは過去問を解いてみましょう。2021年9月試験 学科 問33

X株式会社(以下、「X社」という)とその役員の間の取引における法人税および所得税の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 役員が所有する資産を適正な時価の2分の1未満の価額でX社に譲渡した場合、役員側では時価で譲渡したものとされ、時価と譲渡価額との差額が給与所得の収入金額として課税対象となる。
  2. 役員が所有する資産を適正な時価よりも高い価額でX社に譲渡した場合、X社側では時価と買入価額との差額について、役員に対して給与を支払ったものとして取り扱われ、役員側では時価と譲渡価額との差額が給与所得の収入金額として課税対象となる。
  3. X社が所有する社宅をその規模等に応じた所定の方法により計算した通常支払われるべき賃貸料よりも低い家賃で役員に貸し付けた場合、役員側では実際に支払った賃貸料との差額が給与所得の収入金額として課税対象となる。
  4. 権利金を授受する慣行がある地域において、役員が所有する土地をX社に建物の所有を目的として賃貸する場合に、X社から役員に権利金や相当の地代の支払がなく、「土地の無償返還に関する届出書」の提出がないときには、X社側では原則として借地権の受贈益が認定課税される。

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解答

Wiki技能士

2分の1未満の場合、役員側は時価との差額が譲渡所得となり、差額は法人への寄付となります。

タグ:法人と役員の税務