応用編対策特化:ポートフォリオ(期待収益率・標準偏差) | FP1級Wiki
ポートフォリオの標準偏差や期待収益率、シャープレシオを求める問題が良く出ます。
基礎編に登場することもありますが、ここでは応用編対策としてご紹介いたします。
いろいろなパターンでいろいろなファンドを運用した際の未来を予想する計算を行います。
内容はほとんど数学で、出題パターンはいくつか決まっています。
このページは応用編対策に特化していますので、計算式のみを解説します。
ポートフォリオの理論とか理屈とかを詳しく学びたい方は、C分野から学習してください。
(19.ポートフォリオのリスク,20.ポートフォリオ効果,21.ポートフォリオの理論,22.ポートフォリオのパフォーマンス分析)
それでは出題例を元に解説していきます。
出題例①
生起確率と収益率 | 生起確率 | Yファンド | Zファンド |
---|---|---|---|
シナリオ1 | 40% | 15% | ▲5% |
シナリオ2 | 40% | 10% | 15% |
シナリオ3 | 20% | ▲5% | 10% |
問題1 上の表を元に、Yファンド6:Zファンド4で運用したときの期待収益率を答えなさい。
解説
3つのシナリオの起こる確率と、その利率が示されていますので、YとZそれぞれの平均値を求めます。
Yファンド (15%×0.4)+(10%×0.4)+(▲5%×0.2)=9%
Zファンド (▲5%×0.4)+(15%×0.4)+(10%×0.2)=6%
この2つの答えを6:4にします。
(9%×0.6)+(6%×0.4)=7.8% 期待収益率=7.8%
問題2 同じく6:4で運用した際の標準偏差を求めなさい。
解説
今度は6:4のときのシナリオごとの期待収益率を求めていきます。
シナリオ① (15%×0.6)+(▲5%×0.4)=7%
シナリオ② (10%×0.6)+(15%×0.4)=12%
シナリオ③ (▲5%×0.6)+(10%×0.4)=1%
問題1で出た期待収益率とシナリオごとの収益率をもとに生起確率を用いて分散から標準偏差を導き出します。
分散=(7-7.8)²×0.4+(12-7.8)²×0.4+(1-7.8)²×0.2=16.56
導き出した答えに平方根を掛けると答えが出ます。
√16.56=4.07
標準偏差=4.07
出題例②
実績収益率 | 標準偏差 | |
---|---|---|
Yファンド | 10.75% | 7.50% |
Zファンド | 12.55% | 10.25% |
相関係数 |
---|
▲0.60 |
問題1 安全資産利率を0.10%としたときのYファンドのシャープレシオを求めなさい。
解説
実績収益率から安全資産利率を引いて標準偏差で割れば正解です。
(10.75-0.10)÷7.50=1.42
Yファンドのシャープレシオ=1.42
問題2 YファンドとZファンドをそれぞれ6:4で運用した時の標準偏差を求めなさい。
解説
今回は出題例①とは違い、標準偏差と相関係数が与えられています。
(7.50×0.6)²+(10.25×0.4)²+2×0.6×0.4×▲0.60×7.50×10.25=14.92
「▲0.60×7.50×10.25の部分は共分散を求めています。」
導き出した答えに平方根を掛けると答えが出ます。
√14.92=3.86 標準偏差=3.86
出題例③
標準偏差 | |
---|---|
Yファンド | 12.50% |
Zファンド | 6.25% |
YとZの共分散 |
---|
55.50 |
問題 YファンドとZファンドをそれぞれ6:4で運用した時の標準偏差を求めなさい。
解説
共分散が与えられているので出題例②より簡単です。
(12.50×0.6)²+(6.25×0.4)²+2×0.6×0.4×55.50=89.14
導き出した答えに平方根を掛けると答えが出ます。
√89.14=9.44
標準偏差=9.44
以上、この3つのパターンを覚えておきましょう!!
期待収益率・標準偏差のまとめ
ここでのポイントは相関係数と共分散ですね。
相関係数を使って共分散が求められるというところ。
数字が多くて頭の中がぐちゃぐちゃしますが、
式の中でもしっかり分けて考えていきましょう。
外部リンク:きんざい(過去問掲載ページ)
2022年03月14日