中心的な同族株主判定

「中心的な同族株主」とは、課税時期において同族株主の1人並びにその株主の配偶者、直系血族、兄弟姉妹及び1親等の姻族(これらの者の同族関係者である会社のうち、これらの者が有する議決権の合計数がその会社の議決権総数の25%以上である会社を含む。)の有する議決権の合計数がその会社の議決権総数の25%以上である場合におけるその株主をいう。

(財産評価基本通達188(2)より)

つまり、①本人(この人を中心に見る)②配偶者③直系血族④兄弟姉妹⑤1親等の姻族(義父、義兄弟など)の議決権の合計数が会社の議決権総数の25%以上であるかで判断する。
例題に沿って説明するのが一番わかりやすいです。議決権の総数で考えますから議決権を持たない株(金庫株など)は計算に入れないでください。

過去問チャレンジ2023.9.10試験 学科 問48

非上場会社であるX株式会社(以下、「X社」という)の同族関係者であるA~Fの所有株式数等は、下記のとおりである。D、E、Fがそれぞれ中心的な同族株主に該当するか否かの判定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、発行済株式総数は100株であり、X社株式はすべて議決権を有する普通株式である。

株主株主Aとの関係X社における地位所有株式数
A本人代表取締役社長30株
Bなし5株
C代表取締役会長15株
D経理部長15株
E甥(Dの長男)なし5株
F伯父取締役営業部長5株
G従業員持株会25株

1) D、E、Fは、いずれも中心的な同族株主に該当する。
2) DおよびEは中心的な同族株主に該当し、Fは中心的な同族株主に該当しない。
3) EおよびFは中心的な同族株主に該当し、Dは中心的な同族株主に該当しない。
4) DおよびFは中心的な同族株主に該当し、Eは中心的な同族株主に該当しない。

解説

D、E、Fの3人をそれぞれ中心人物としてみた場合に議決権25%以上になるかを確認していくという作業になります。会社全体で100なので25以上なら中心的な同族株主です。

Dの場合

Dは弟。同族範囲に当てはめると①15②なし③C15、E5④A30=65株(議決権)になります(⑤は省略)。余裕で中心的な同族株主。さすがDの一族です。

Eの場合

Eは甥です。①5②なし③D15、C15④なし=35株(議決権)になります。こちらも中心的な同族株主。

Fの場合

Fは伯父です。すでに遠いです。①5②なし③C15④なし=20株(議決権)ですね。Fは中心的な同族株主ではありません。

正解は2番になります。

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