損害保険契約の税金関係(個人)|FP1級Wiki
課税となる保険金、非課税となる保険金について簡単に理解するとともに、地震保険料控除について覚えましょう。
保険金に係る税金
非課税になる保険金や給付金
損害保険は受けた(もしくは与えた)損害を補填する(保険金で儲かる訳ではなく補う)事が目的なので、そのほとんどが非課税となる。
- 自分の所得にならないもの(他人に支払う対人・対物賠償保険金など)
- 損害賠償金系のもの(無保険車傷害保険金、人身傷害補償保険金の賠償金に該当する部分等)
- 資産の損害を補填する目的の保険金(火災保険、車両保険金等)
- 身体の傷害・障害に対して支払われる補償(傷害保険金・後遺障害保険金・医療費用・所得補償等)で本人以外の親族受け取りも対象
課税対象の保険金や給付金
損害保険で課税対象となる場合は、基本的に生命保険金の課税関係と同じになる。
- 死亡保険金。傷害保険・自損事故保険・搭乗者傷害保険・人身傷害補償保険などの死亡保険金で賠償金以外の部分
- 満期返戻金・解約返戻金・年金給付金
人身傷害補償保険の保険金の構成について
相手の過失部分から支払われるべき賠償金部分 | 非課税 |
自己の過失部分で自身への傷害保険金 | 非課税 |
自己の過失部分で自身への死亡保険金 | 課税(所得税・住民税・贈与税・相続税いずれかの課税対象) |
地震保険料控除
地震保険・地震共済の掛金が対象
自己および自己と生計を一にする配偶者その他親族が所有する居住用家屋、または生活に必要な生活用動産が補償の対象の保険・共済
一定の要件を満たす長期損害保険契約等の保険料も経過措置により対象
2006年12月31日以前始期の保険期間10年以上で満期返戻金のある火災保険(常時居住の家財家屋が条件)、傷害保険(本人・家族)など。
地震保険料の控除額
所得税:年間払込保険料の全額(最高5万円)
住民税:年間払込保険料の半額(最高2万5,000円)
- 保険期間2年以上の保険料を一度に支払った場合、年数で割ってそれぞれの年に適用できる。
- 店舗併用住宅は、居住部分の保険料のみが地震保険料控除の対象になる。ただし、建物全体の90%以上が居住用の場合は全額対象にできる。
- 別荘などの常時居住用でない場合や、賃貸アパートの所有者が支払った地震保険はいずれも対象にならない(普段そこに住んでないとダメってこと)。
旧長期損害保険契約の控除額(経過措置対象契約)
所得税:最高1万5,000円
住民税:最高1万円
- ここで算出した控除額は上記の地震保険料控除内に含めることができる(最高限度が増えるわけではない)
- 長期損害保険契約の経過措置となる火災保険(つまり古い火災保険)に地震保険が付帯された契約の場合、「地震保険料」または「長期損害保険契約の経過措置」のどちらか一方の控除しか受けられない。
- 経過措置対象契約は2007年1月1日以後に契約や保険料に変更があった場合、その年から対象外(地震保険の付帯はOK)
外部リンク:㈳日本損害保険協会
損害保険契約の税金に関する過去問を解いてみましょう。2020年9月試験 学科 問14
地震保険料控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
- 地震保険料控除の対象となる地震保険料は、地震等損害により資産について生じた損失の額を填補する保険金に係る保険料に、地震等損害により臨時に生ずる費用や資産の取壊しに係る費用に対して支払われる保険金に係る保険料を加えた金額となる。
- 地震保険料控除は、所得税では10万円を限度として支払った地震保険料の全額が控除額となり、住民税では5万円を限度として支払った地震保険料の2分の1相当額が控除額となる。
- 2021年4月に居住用建物を対象として保険期間5年の地震保険を契約し、その地震保険料を同年中に一括して支払った場合、支払った地震保険料の全額が2021年分の所得税および2022年度分の住民税における地震保険料控除の対象となる。
- 店舗併用住宅を対象として地震保険を契約した場合、その家屋の全体のおおむね90%以上を居住の用に供しているときは、その家屋について支払った地震保険料の全額を居住用資産に係る地震保険料として扱うことができる。
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解答
4
4は設例のとおりですね。
1は臨時費用とか取壊費用なんてのは当テキストにも書いてません。対象外です。
2は5万円が限度です。
3は全額その年に処理されるわけではなくちゃんと5年間に割り振られます。
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