都市計画法|FP1級Wiki

この項目で重要なのはとにかく13種の用途地域でしょう。応用編の穴埋めによく出てきます。
イチニデン、イチニイチニジュン、キンショウ、ジュンコウコウです。暗記しましょう。

       

都市計画区域

都市計画区域とは、一体の都市として総合的に開発整備するために都道府県が指定した区域のこと。さまざまな都市計画が定められ、土地の利用に制限を受ける。指定は、市町村や都市計画審議会の意見を聞き、国土交通大臣の同意を得て都道府県が行う。ただし、複数の都府県にまたがる区域は国土交通大臣が自ら関係都府県の意見を聞いて行う。

都市計画区域内では市街化区域と市街化調整区域の線引き都市計画区域と、区分がなされていない非線引き都市計画区域がある。これらの区分の決定権者は都道府県になる。

市街化区域

すでに市街地を形成している区域&おおむね10年以内に優先かつ計画的に市街化を図るべき区域。用途地域(後述)の設定は必須

市街化調整区域

市街化を抑制すべき区域。原則、用途地域は定めない区域

       

非線引き都市計画区域

区分がない地域。用途地域の設定は可能である。

都市計画道路予定地

都市計画道路とは都市計画法に基づき将来作られる道路。
予定地の区域内にある宅地については、規定により2階建ての建物しか建築できないなど一定の制限があり、その区域内で建物を建てようとする場合には、都市計画に関する物、非常時的な物を除き、都道府県知事の建築許可を得なければならない。

準都市計画区域

都市から外れた地域でも、例えば高速のインターチェンジ付近では無秩序に商業施設が建ってしまう懸念がある(ラブホだらけになったり)。それを防ぐため、それら一定の地域を準都市計画区域として指定し、用途地域、特別用途地域、風致地区などの都市計画の一部(地域や地区)を定めることができるようにする。都市計画区域とは違い、土地利用の整序のみを行うことを目的として指定する区域ということです。 指定は、市町村や都市計画審議会の意見を聞いて都道府県が行う。

       

地域地区

都市計画法ではさまざまな地域地区が定められている(前出の特別用途地域、風致地区などもそのひとつ)。その中で最も重要なのが用途地域である。

用途地域

住居系目的と主な施設
第一種低層住居専用地域低層住宅に係る良好な住居の環境を保護。
第二種低層住居専用地域主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護。床屋可。
田園住居地域農業の利便性を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護。
第一種中高層住居専用地域中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護。大学も可。
第二種中高層住居専用地域主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護
第一種住居地域住居の環境を保護。小さめのホテルやゴルフ練習場が可に。
第二種住居地域主として住居の環境を保護。一般的なホテルやゴルフ練習場、カラオケ店やパチンコ店も可に。
準住居地域道路の沿道としての地域特性にふさわしい業務利便性の増進を図り
これと調和した住居の環境を保護。国道沿いとか。大型施設でなければ様々な施設が建設可。
       
商業系目的
近隣商業地域近隣の住民に対する日用品の供給を主内容とする商業その他の利便を増進。近所の商店とか。
商業地域主として商業その他の業務の利便を増進。繁華街とか。
工業系目的と主な施設
準工業地域主として環境悪化をもたらす恐れのない工業の利便を増進。
工業地域主として工業の利便を増進。ホテルや映画館、学校や病院は不可。住宅は建てられます。
工業専用地域工業の利便を増進。この地域のみ住宅が建てられない。

その他の地域地区(一部紹介)

特別用途地区、特定用途制限地域、高度地区、高度利用地区、防火地域、準防火地域、特定防災街区整備地区、景観地区、風致地区、生産緑地地区など。

  • 高度地区市街地の環境維持のために建築物の高さに最高限度や最低限度が設定される。
  • 高度利用地区:容積率の最高限度と最低限度、建ぺい率の最高限度、建築面積の最低限度が必ず定められ、狭小建築物の建設を排除する。都市化のための制限。
       

開発許可

都市計画区域や準都市計画区域内で開発を行うには都道府県知事や指定都市長の許可が必要になる。
ちなみに区域外であっても1万㎡(1ha)以上の開発ならやはり都道府県知事の許可がいる。

ただし、以下の場合は許可不要

  • 小規模開発:市街化区域なら1,000㎡未満(三大都市の一定区域は500㎡。または条例で300㎡)、非線引き区域と準都市計画区域は3,000㎡未満。
  • 農林漁業用建築物:市街化調整区域、非線引き都市計画区域、準都市計画区域
  • 駅舎、図書館、公民館、変電所
  • 都市計画事業、土地区画整理事業、市街地再開発事業
  • 非常災害のために必要な応急的開発、通常の管理行為、軽益な行為

開発行為

開発行為とは建築物や特定工作物の建設目的で行う、土地の区画形質の変更を指す。

  • 区画の変更とは:建設のために区画を変更すること。分筆や合筆など権利区画の変更は含まない。
  • 形質の変更とは:切土、盛土などで物理的な形状が変わることや、農地を宅地にすることなど。
  • 特定工作物とは:処理場など周辺地域の環境悪化をもたらすおそれのある工作物。または1ha以上のゴルフ場や墓園などの大規模工作物。

許可を受けた者が、開発工事を廃止するときは都道府県知事等に届出を要する
許可を受けた者の相続人等の一般承継人は、手続きすることなく地位を承継する。
売買で土地を取得した特定承継人は都道府県知事の承認を受ける必要がある。

       

建築行為の制限

開発行為とは建築物の建築を含むものであるため、一定の規制をしないと十分に機能しない。

①開発許可に関する建築形態条件

都道府県知事は用途地域が定められてない区域へ開発許可をする場合に、必要と認めるときには建築物に制限を定められる。

②工事完了広告前の建築制限

原則、建築・建設をしてはならない。

③工事完了広告後の建築制限

原則、許可申請により予定している建築物等以外の新築等は禁止される。

④開発区域以外の土地における建築制限

市街化調整区域のうち、開発許可を受けた区域以外の区域内については都道府県知事の許可を受けなければ、農林業の建築物、駅舎、図書館、公民館、変電所等の必要なもの以外の建築物や第一種特定工作物を新築・新設してはならない。また、用途を変更してそれらの建築物にしてもいけない。

※コンクリートプラント、クラッシャープラント、危険物の貯蔵または処理に供する工作物

外部リンク:国土交通省

       

都市計画法に関する過去問を解いてみましょう。2021年5月試験 学科 問37

都市計画法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 準都市計画区域として指定された区域において、計画的な市街化を図るために必要があるときは、都市計画に市街化区域と市街化調整区域の区分を定めることができる。
  2. 都市計画区域のうち、市街化区域については用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については原則として用途地域を定めないものとされている。
  3. 都市計画区域内の用途地域が指定された区域については、市街地における火災の危険を防除するため、防火地域または準防火地域のいずれかを定めるものとされている。
  4. 都市計画区域の市街化区域内において行う開発行為で、原則としてその規模が2,000㎡未満であるものは、都道府県知事等による開発許可を受ける必要はない。

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解答

Wiki技能士

市街化調整区域は市街化を調整したいので用途を定めて開発はしないですね。
1は、用途地域の一部を定めることができるんですが、区域を区分したりはしないです。開発したいわけじゃないんで。
3は、まぁ、あってもいいんでしょうけどねぇ。必須ではないんですよ。でも市街地は必須でもいいかもって思いますよね。安全な街になりそう。
4は、市街地なら1,000㎡、非線なら3,000㎡ですね。