決算書の分析|FP1級Wiki
私なんかはこの辺の実務経験が皆無なので覚えるのに非常に苦労します。出題は多くはないですがキャッシュフロー計算書は過去に出たことがあります。このあたりは細部までは覚えなくてもなんとなくの全体像や概念を把握しておくと他の項目でも勉強しやすくなると思います。
決算書
損益計算書と貸借対照表
損益計算書は、1会計期間(通常1年間)の経営成績を示しており、
貸借対照表は、決算期末における1時点での財政状態を示している。
損益計算書と貸借対照表は、一連の記録を借方と貸方に二分したもので、
それぞれの左右の金額の差が利益であり、
損益計算書と貸借対照表の双方に同じ金額の利益が左右反対側に示される。
株主資本等変動計算書
貸借対照表の純資産の部の、1会計期間における変動額のうち、
主として株主に帰属する部分である、
株主資本の各項目の変動事由を報告するために作成するもの。
キャッシュフロー計算書
現金及び現金同等物(短期の投資や定期預金、日常的当座借越など)を、営業・投資・財務に3区分して収支を計算し、キャッシュにおける獲得高を示すもの。現金の流れを見るものです。
営業活動によるキャッシュフロー | 企業本来の営業活動からどの程度キャッシュが得られたかを表す。直接法では取引ごとの総額で行い、間接法では税引前当期純利益に減価償却等を加算して行う。 |
投資活動によるキャッシュフロー | 有形・無形固定資産の取得や売却、資産の貸付や回収、有価証券や投資有価証券の取得や売却を表示する。記載金額はそれぞれ営業キャッシュフローの調整が入る。 |
財務活動によるキャッシュフロー | 資金の調達や返済に係る表示をする。科目により総額表示と差額表示(短期借入金など)がある。 |
フリーキャッシュフロー | 営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足して求める。名の通り会社が自由に使える資金を示すもの。 |
直接法と間接法
キャッシュフローは、直接法と間接法の2種類の表示方法がある。
- 直接法:現金収入や現金支出を直接計算する方法(手間がかかるが正確)
- 間接法:損益計算書の値を元に(間接的に)導き出す方法
収益性分析
財務分析をするには総合的指標から順次、細部へと分析していく。
まず、総資本経常利益率をみて、これを売上高経常利益率と総資本回転率に分解し、原因を分析する。
総資本経常利益率(%)=(経常利益÷総資本)×100
総資本経常利益率の分解
総資本経常利益率=売上高経常利益率×100×総資本回転率
計算についての詳しいところはC分野10.株式投資の企業分析を確認してください。
安全性分析
安全性分析は、基本的に貸借対照表の数値を分析するもので、使用する主な比率を判断方法に以下のものがある。
ただし、業種別に分析したり、企業の個別要因を勘案することも重要になってくるのでそこは注意する。
自己資本比率
(自己資本÷総資本)×100
総資本に対する自己資本の割合で、高いほど安全性が高い
流動比率
(流動資産÷流動負債)×100
200%超が理想とされる
流動比率とは簡単に言うと(本当にざっくり言うと)、
商売で使う材料の在庫等(流動資産)がまだ支払っていない材料費等(流動負債)から見てどのくらい余裕があるか。
つまり「自転車操業」になってませんよね?って確認する方法ということです。
当座比率
(当座資産÷流動負債)×100
100%超が理想とされる
当座比率を簡単に言うと(本当にざっくり言うと)、
前項の流動資産の中から現金化しやすい当座資産に絞り、流動負債から見てどのくらい余裕があるかを見る。
短期債務返済能力を確認する方法ってことです。予想外の事が起きても大丈夫か?ってことですね。
※当座資産(現金預金、売掛金、受取手形、有価証券など)
固定比率
(固定資産÷自己資本)×100
100%以下が理想とされているが、
日本企業の大多数は100%を超えている。
固定長期適合率
(固定資産÷(自己資本+固定負債))×100
日本企業は固定比率が高い傾向があるため、
この固定長期適合率が100%以下なら良し
とするのが一般的な判断となる。
負債比率
負債÷自己資本×100
自己資本に対する負債の割合を示し、企業の安定性を計る。低い方が良い。
外部リンク:国税庁
この項目で過去問チャレンジはありません。
決算書の分析の項目は出題率が少なかったのですが、
最近になって固定長期適合率が出題されて、
受験生を苦しめました。
ほかにもキャッシュフロー表の問題が出たことがあります。
決算書の分析