グループ法人の税務|FP1級Wiki
最近では、実技試験の面接のテーマで突然登場し周囲を戦慄させたというグループ法人税制。
基礎編でも登場しますし、覚えておいて損はないでしょう。基本的にグループ内での資産の移動は認識しないというのがあります。
完全支配関係がある法人間での取引(グループ法人税制)
100%グループ法人とは、完全支配関係(原則、発行済株式の全部を直接・間接に保有する関係)のある法人をいう。
100%グループ内の法人間の譲渡損益の繰延べ
100%グループ内取引により生ずる譲渡損益について、その計上を繰り延べる。
繰り延べた損益は、その資産がグループ外に移転などをしたときに、移転元の法人で損益を計上する。
なお、棚卸資産や帳簿価額1,000万円未満の資産等は、取扱いの対象とはならない。
100%グループ内の法人間の寄付
100%グループ内の内国法人間の寄付金については、
・寄付をした法人(親会社)では全額損金不算入とされ、
・寄付を受けた法人(子会社)では全額益金不算入とされる。
その益金不算入とされる金額を、受領した法人の利益積立金額に加算する。
ただし、法人による完全支配関係に限るため、個人株主がいる場合は原則適用されません。
適格現物分配
法人が株主に対し、金銭以外の資産の現物配当(みなし配当含)を行うことを現物分配という。
適格現物分配とは、内国法人が100%親会社である内国法人に対して行う現物分配のこと。
適格現物分配が行われた場合は、直前の帳簿価額で譲渡したとして所得計算を行う。帳簿価額なので損も益も発生しない。
また、適格現物分配に該当するときは配当ではあるが源泉徴収も行われない。
受取配当等の益金不算入
100%グループ法人内での受取配当については、負債利子控除をせず、全額益金不算入。
大法人の100%子会社に対する中小企業向け特例の不適用
資本金1億円以下の中小法人については、法人税で次の各種特例が設けられているが、
資本金5億円以上の法人(大法人)の100%子会社、
100%グループ内の複数の大法人によって発行済株式等の全部を保有されている子法人等については、
各種特例が適用できない。
適用できなくなる各種特例
- 軽減税率
- 交際費の損金不算入制度における定額控除制度
- 貸倒引当金の法定繰入率
- 欠損金の繰戻還付
- 同族会社の留保金課税の不適用
- 貸倒引当金制度
- 繰越欠損金の課税所得の100%控除
外部リンク:国税庁
グループ法人の税務に関する過去問チャレンジはありません。
ポイントはグループ内の移動は繰り延べられて、
グループ外に出た時に移転元で損益計上するということ。
この点は覚えておきましょう。
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