金融資産の評価|FP1級Wiki
預貯金、債券、株式、様々な金融資産が存在します。
金融資産は基本的には時価で評価しますが、種類により評価方法もそれぞれ違うので覚えていきましょう。
預貯金
- 定期預金以外のもの:預入残高
- 定期預金等:預金残高+既経過利子の額-源泉徴収税額
公社債
利付公社債の評価
評価額=(最終価格※+既経過利子の額-源泉徴収税額)×(券面額÷100円)
※上場されているなら最終価格、気配値(けはいね)があれば気配値。売買参考統計値がある場合、その平均値を採用する場合がある。
参考とする価格が無い場合は発行価額となる。
個人向け国債
評価額=額面金額+経過利子相当額-中途換金調整額
実際に中途換金した時に計算される式のまんまが評価額となります。
生命保険の権利評価
原則、額面金額ではなく解約返戻金相当額。
定期金(個人年金とか)の権利評価
評価額は次の中の多い金額となる。
給付事由がすでに発生している場合
- 解約返戻金相当額
- 一時受取可能な場合は一時金相当額
- 予定利率を基に算出した金額
まだ給付が始まっていない場合は解約返戻金相当額となる。
株式証券投資信託の受益権
証券投資信託受益証券の評価
ETFやJ-REIT(不動産投資信託)など上場されている投資信託は1口ごとに上場株式に準じて評価する。
それ以外は課税時期の基準価額によって評価する。源泉所得税、信託財産留保額、解約手数料を差し引く。
日々決算型※のものについては再投資されていない未収分配金を加える。
※MRF、MMF、中期国債ファンドなど。月末の最終営業日に1カ月分をまとめ、分配金に対する税金を差し引いて自動的に再投資されるタイプ。
上場株式
次の中から最も低いものとなる。国内2つ以上で上場されている株式の場合は納税義務者が好きなほうの価格を選んでよい。
- 課税時期のその日の終値※
- 課税時期の月の当月の毎日の終値の平均
- 課税時期の月の前月の毎日の終値の平均
- 課税時期の月の前々月の毎日の終値の平均
※その日に最終価格が無かった場合は前日以前か翌日以後かで最も近い日の最終価格
負担付贈与・低額譲渡などで取得した評価額は「課税時期の終値」一択となる。
参考:国税庁HP財産評価
金融資産の評価に関する過去問を解いてみましょう。2021年1月試験 学科 問47
証券会社を通じて購入した上場株式であるX社株式を1,000株所有しているAさんが、2021年12月16日に死亡した。Aさんの相続において、下記の〈X社株式の終値〉から算出されるX社株式(1,000株)の相続税評価額として、次のうち最も適切なものはどれか。
なお、X社株式の権利落ちや配当落ちはないものとし、記載のない事項については考慮しないものとする。
<X社株式の終値>
2021.12.16の終値 | 4,000円 |
2021.12の毎日の終値の月平均額 | 4,100円 |
2021.11の毎日の終値の月平均額 | 4,200円 |
2021.10の毎日の終値の月平均額 | 3,800円 |
2021.9の毎日の終値の月平均額 | 3,600円 |
2021.8の毎日の終値の月平均額 | 3,700円 |
2021年の毎日の終値の年平均額 | 3,500円 |
2020年の毎日の終値の年平均額 | 3,700円 |
2021.12以前2年間の毎日の終値の平均額 | 3,600円 |
- 350万円
- 360万円
- 370万円
- 380万円
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解答
4
下記の中から一番低いものを選べます。
- 課税時期のその日の終値
- 課税時期の月の当月の毎日の終値の平均
- 課税時期の月の前月の毎日の終値の平均
- 課税時期の月の前々月の毎日の終値の平均
3,800円が一番低いです。所持数1,000株持ってるわけですから、
3,800円×1,000株=380万円です。
金融資産の評価に関する問題はどうしても数字が多いです。頑張っていきましょう!