6つの係数 | FP1級Wiki
金利や必要額を計算する問題としてたびたび出てきますが、 名前が似ていてわかりにくい&名前から連想しにくいために苦戦します。 一覧表が与えられることが多いので、 何回か電卓で打っていると答えにたどり着ける場合もありますが、 全体を頭に入れておくと楽です。
6つの係数
6つの係数は、さらに3つのペアに細分化することができます。
一括ペア
終価係数
(定期預金の満期の金額を求める)
元金×終価係数=満期時の金額
時計を進める感じですね。
現価係数
(満期金から元金を逆算する)
満期金額×現価係数=預入時の元金
時をさかのぼる感じですね。
積立ペア
年金終価係数
(積立預金の最終結果をお知らせします)
毎年の積立金額×年金終価係数=合計金額
年金というよりは積立預金で使います。
減債基金係数
(目標金額のために毎年いくら要るのか)
貯金目標金額×減債基金係数=毎年の貯蓄額
年金終価係数の反対という感じです。 まとまったお金を毎年にバラしていくので「減債基金」と名付けたのでしょうか。 ちょっとなに言ってるかわかんないんですけど。
取崩ペア
年金現価係数
(毎年の年金からその原資を求める)
毎年の年金×年金現価係数=原資
60歳までにいくら貯めておけばいいですか?に良く使われる。
資本回収係数
(預けたお金を毎年崩したら一回いくらになるか)
原資×資本回収係数=毎年の金額
これは[資本回収]言葉の通りで覚えやすいと思います。
それでは過去問を解いてみましょう。2019.9月 学科試験 問1
Aさん(45歳)は、65歳から15年間にわたって毎年500千円を受け取るために、65歳までの20年間、年金原資を毎年均等に積み立てることを考えている。この場合、45歳から65歳までの20年間の毎年の積立額として、次のうち最も適切なものはどれか。
なお、積立期間および取崩期間中の運用利回り(複利)は年2%とし、積立ておよび取崩しは年1回行うものとする。また、下記の係数表を利用して算出し、計算結果は千円未満を切り捨て、手数料や税金等は考慮しないものとする。
終価係数 | 現価係数 | 年金終価係数 | 減債基金係数 | 年金現価係数 | 資本回収係数 | |
---|---|---|---|---|---|---|
5年 | 1.1041 | 0.9057 | 5.2040 | 0.1922 | 4.7135 | 0.2122 |
10年 | 1.2190 | 0.8203 | 10.9497 | 0.0913 | 8.9826 | 0.1113 |
15年 | 1.3459 | 0.7430 | 17.2934 | 0.0578 | 12.8493 | 0.0778 |
20年 | 1.4859 | 0.6730 | 24.2974 | 0.0412 | 16.3514 | 0.0612 |
25年 | 1.6406 | 0.6095 | 32.0303 | 0.0312 | 19.5235 | 0.0512 |
1 226千円
2 250千円
3 264千円
4 269千円
↓正解は↓
この問題は2段階で解きます。
まず15年間50万円が必要なのでその元金を出します。
これは文字通り「年金現価係数」でいいですね。15年ですから12.8493をかけます。
ここでひとつポイントなのですが、出題ケースでは必ず高い金利がついています。
つまり15年分の原資を計算する際に「15」以上の数字になるハズがありません。
それで考えれば自ずと解ります。
50万円×12.8493=6424千円(千円未満切り捨て) 必要な原資は6424千円です。
次に20年間いくら貯めるかということですが、これは逆を返せば到達金額をいくらずつ崩すかと同じになりますので、ここでは減債基金係数をかけます。
ここも考え方は同じです。原資を20分の1(0.05)にする訳ですから0.05以上の数字になる訳がありません。なので減債基金係数を選択します。
6424千円×0.0412=264千円(千円未満切り捨て)
答えは3番となります。
6つの係数においてFP1級の出題は2段階で解くものが多いです。
適当に電卓打ったら答えが出たとならないような対策でしょう。
積立も取崩もすべて、運用しながらなので単純計算よりも必ず得します。
そのあたりを脳内でイメージしながら計算することが重要ですよ。
外部リンク:きんざい
2021年03月27日