投資信託の販売商品|FP1級Wiki
こちらのページは、投資信託の顧客側からの説明です。運用方法にはいろいろな種類があり、それぞれ特徴があります。
投資信託の商品選択
ここからは投資家がファンド類を選択する際の解説をしていきます。
株式投資信託・公社債投資信託
証券投資信託において、株式を組み入れることができるかどうかで「株式投資信託」「公社債投資信託」の2つに分類される。
株式投資信託
株式を組み入れることができるタイプ(組み入れ比率0のものもある)
公社債投資信託
株式をいっさい組み入れないタイプ
オープンエンド型・クローズドエンド型
今はオープンエンドが主流ですが、解約ができるものとできないものがあります。
オープンエンド型
いつでも買戻しが可能。その時点での価値で解約が請求できる。現在こちらが主流。
クローズドエンド型
買戻しができない。換金したいと思ったら解約ではなく、金融商品取引所などの市場で売却するしかない。
高値の時に解約できないなど現在のスタイルにそぐわない面が多く、こちらは下火。
追加型投資信託・単位型投資信託
募集方法としてこの2パターンがあります。
追加型(オープン型)
ファンド設定後もいつでも時価売買できる。あらかじめ償還期限を定めているものと無期限のものがある。
その時々でタイムリーな資金運用ができる。幅広く募集してる、良く目にするのはこっち。
単位型(ユニット型)
ファンド設定後は追加購入できない。募集期間が決まっており、投資家はみな同じ価格で購入する。
一回限りの募集となるスポット型もここに含まれる。信託期間は有期間となります。
狙った企業などの成長を期待して購入するタイプ。
追加型株式投資信託のタイプ
ファミリーファンド方式
2種類あるファンドの運用方式のひとつ。顧客はベビーファンドを購入。
ベビーファンドは運用方針に基づく投資割合に応じて複数のマザーファンドに投資するが、実質的な運用をマザーファンドで行う。マザーファンドは各顧客のベビーファンドをまとめることにより運用効率を高めている。
ファンドオブファンズ
2種類ある運用方式のもうひとつ。ファンドオブファンズは複数の投資信託を投資対象にした投資信託。通常の投資信託は株券や債券などに投資しますが、これは投資信託に投資する投資信託(まさにファンドオブファンズ)です。そのおかげで小口の投資家でも大型投信に投資できますし、ただでさえ複数銘柄を使う投資信託を複数組み合わせますから、その分かなりリスクが分散されますが、当然コストは余計にかかります。
ブル型・ベア型ファンド
デリバティブ(金融派生商品のこと。先物・オプション・スワップ取引など)を活用する運用方式。攻撃的で、特殊型に分類される。
ブル(強気)型は相場(日経平均など)が上昇すると基準価額以上の上昇をする。
ベア(弱気)型は下落すると基準価額が上昇する。
レバレッジ(てこ)を利用して2倍超の動きに設計されているファンドもある。
通常、ブルベア型を単体で運用する投信は少なく、資金プール用のマネーポートフォリオファンドなどをセットにして、セレクト型ファンドになっているものが多い。
例:野〇ブルベアセレクト8(ブルベアだけではなくて複数のファンドをスイッチできる)。追加型投信/海外/株式/特殊型
毎月分配型ファンド
海外の債券やREITなどで運用し、その利息などの運用収入を毎月の分配金として受け取る。
元本払戻金を含むこともあるため元本が減少し、投資効率が悪くなることもある。
リスク限定型投信
株価の下落や変動幅(ボラティリティ)に一定の基準を設けて、損失リスクを一定限度に抑える。
リスクコントロールファンドとも呼ばれる。元本を一定割合(9割程度)保証する。
アンブレラ型ファンド
あらかじめ設定された複数のサブファンドの中から顧客が購入時、運用時ともに自由に組み合わせることができるファンド。
日本ではセレクト型ファンドと同義にされている。大きな傘の中にサブファンドがたくさん入っているイメージから名付けられた。
為替ヘッジ
投資信託の海外型では為替ヘッジのあるなしを選べる。
ヘッジありは為替変動を受けないがコストがかかる。
ヘッジなしはそのままを受け入れる。ということです。
為替ヘッジあり
外貨建て資産について、外貨の先物取引やオプション取引を利用して、為替変動リスクを回避する。
為替ヘッジする際には2国間の短期金利差相当のヘッジコストがかかる。
為替ヘッジなし
為替ヘッジコストはかからないが、運用収益が得られたとしても、為替変動により円換算した時に資産価値が下がる可能性がある。
MRF・MMF
MRF(マネー・リザーブ・ファンド)・MMF(マネー・マネージメント・ファンド) とは、オープン型の公社債投資信託のこと。投資信託には珍しく、元本に損失が生じた場合、投資信託委託会社が補てんすることを認めている(認めているだけで、MRFが元本保証商品と言う意味ではない)。滅多に元本割れを起こす商品ではないが、実際2000年に元本を割ったことがある。
MRFは証券口座に入金すると自動的に運用開始され、銀行預金のような簡便さがある。
対してMMFは別途購入を要する。短期売買などをすると信託財産留保額がかかる。
- 購入単位は1円以上1円単位
- 換金制限なし
- 当日換金可能
- 決算分配は毎日決算型でその収益は1ヶ月分まとめて再投資される。
ETF(上場投資信託)
ETFはExchange Traded Fundsの略で、上場投資信託と訳すことができる。日経平均株価や国内外の株価指数などに連動するように設定されている。ETFの対象指数には日経平均株価、東証株価指数TOPIX、TOPIXコア30、JPX日経インデックス400、東証電気機器株価指数、東証銀行業株価指数など。似ている性格の投資信託でインデックスファンドがあるが、ETFはそれを金融商品取引所に上場させたような金融商品です。指数連動型。
インバース型ETF
原指標の日々の騰落率に一定の負の倍数を乗じるよう計算された指標です。例えば、日々の株価騰落率の-2倍となるよう計算された指標であれば、株価が下がったときにより大きな利益が得られます。先物・オプション取引などを活用して対象指数の逆値の2倍を目指すので、投機的な短期売買を行うのに適しています。インバースとは「逆、反対」という意味を持つ。
レバレッジ型ETF
インバース型ETFとは逆に、一定の正の倍数を乗じるよう計算された指標への連動を目指すタイプのものをレバレッジ型ETFといいます。
J-REIT(不動産投資信託)
J-REITは、オフィスビルや商業施設などの不動産を運用対象とする投資信託で、東京証券取引所に上場して売買する。
賃貸収入や売買益で運用成果を上げ、投資家に分配する。 設立形態は会社型投資信託になる。
ETFとJ-REITの特徴
どちらも上場型投資信託で似ている部分が多い。そのため良く比較問題がでる。
売買方法
どちらも上場株式と同じ。
- 立会時間中は上場された金融商品取引所でいつでも時価で売買できる。
- 指値注文や成行注文ができ、信用取引もできる。
- 売買時に委託手数料がかかる。
- 非上場の投資信託に比べて運用管理費用(信託報酬)が安い。
分配金課税
どちらもほぼ上場株式と同じ。
収益分配金(配当所得)として所得税15.315%、住民税5%が源泉徴収される。
売却益課税
上場株式と同じ。
- 売却益(譲渡所得)の所得税15.315%、住民税5%が申告分離課税の対象となる。
- 売却損は、上場株式の売却益と通算し、通算しきれない損失は翌年以降3年間繰越控除できる。
ETFとJ-REITで違うところ
項目 | ETF | J-REIT |
---|---|---|
設立形態 | 契約型投資信託 | 会社型投資信託 |
配当控除 | 受けられる | 受けられない |
ETN(上場投資証券)
ETNはExchange Traded Noteの略で、上場投資証券、またの名を指標連動証券といいます。ETFやJ-REITなどと同様に上場されている投資信託。金融機関がその信用力をもとに発行し、価格が特定の指標に連動することを保証する債券である。ETFと異なり裏付けとなる現物資産を持たない。金融機関の信用力がもとになるため倒産や財務状況の悪化の影響を受ける信用リスクがある。
外部リンク:金融庁
投資信託の販売商品に関する過去問を解いてみましょう。2020年1月試験 学科 問16
投資信託に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- ファンド・オブ・ファンズは、複数の投資信託を主要な投資対象とする投資信託であり、投資信託約款において、株式や債券などの個別銘柄の組入比率を50%未満とする旨の記載があるものをいう。
- アンブレラ型ファンドは、契約時に投資家があらかじめ設定された複数のサブファンドの中から投資対象を自由に組み合わせることができる投資信託であるが、運用中にサブファンドを組み替えることはできない。
- ベア型ファンドは、先物やオプションなどを利用して、基準となる指数の値動きを上回る投資成果を目指す投資信託であり、相場の上昇局面ではより高い収益率が期待できる。
- MRFは、主に証券会社で行う有価証券の売買その他の取引に係る金銭の授受の用に供することを目的とした投資信託であり、通常の投資信託と異なり、元本に損失が生じた場合に投資信託委託会社が補てんすることが認められている。
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解答
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4番が適切ですが、あくまでも「補てんを認めている」だけなので、元本保証だ!
って言いきれないところに注意です。
タグ:投資信託の販売商品