教育資金支援制度|FP1級Wiki
日本政策金融公庫が行う国の教育ローンと日本学生支援機構の奨学金制度を中心に学習しましょう。
教育一般貸付(国の教育ローン)
日本政策金融公庫が行う教育一般貸付は金利固定(ひとり親、交通遺児家庭、低所得家庭は金利優遇もあり)。申込人は原則保護者。
- 融資対象は、中卒以上を対象とする教育施設であり、高等学校、大学、大学院などのほか、職業能力開発校などの教育施設も含まれる。
- 融資限度は通常1人当たり上限350万円
- 自宅外通学、修業年限5年以上の大学(昼間部)、大学院、海外留学(修業年限3ヵ月以上の外国教育施設に留学する場合)は上限450万円
- 入学金、授業料、受験費用、定期券代、在学のためのアパート代、パソコン購入費など幅広く利用可能
- 4親等以内の親族から連帯保証人を立てるか、教育資金融資保証基金の保証を利用することが必要(保証料は融資金から一括で差し引く。交通遺児家庭、ひとり親の方は通常の1/2の額になる)
- 返済期間は18年以内
- 返済は借入日の翌月か翌々月の希望日から開始
- 在学期間中は、元金を据え置いて利息のみの支払いとすることもできる
日本学生支援機構の奨学金制度
貸与型
国が実施する貸与型の奨学金で、奨学生が返還するお金は、次の世代の奨学金として使われ、先輩から後輩へとリレーされていく仕組み。
- 無利子の第1種奨学金と有利子(在学中は無利子)の第2種奨学金がある
- 収入基準や成績基準は第2種奨学金のほうが緩やかである
- 奨学金の振込口座は学生名義となり、返済は卒業後から始まる
返還方式
所得連動返還方式
前年の所得に応じてその年の毎月の返還額が決まる。
- 毎年の所得で返還額が変動していくため返済期間は定まらない
- 第1種奨学金の人に限る
- 教育資金融資保証基金の保証制度を利用している人に限る
定額返還方式
貸与総額に応じて月々の返還額が算出され、完了まで定額で返還する。
返還に関する救済制度
救済制度は2パターンある。少しずつでも残高が減っていく減額返還が主流となっている。
減額返還
経済困難、傷病、災害等、奨学金の返還が困難になった場合、毎月の返還額を2分の1または3分の1に減額し、減額返還適用期間に応じた分の返還期間を延長する制度。
- 願い出が必要で、審査がある。
- 利息がある第2種奨学金であっても、返還期間が延長されて利息が増えたりしない。
返還期限猶予
経済困難、傷病、災害等、奨学金の返還が困難になった場合、返還期限を猶予する制度。
- 願い出が必要で、審査がある
- 第2種奨学金の場合、猶予期間中は無利息
- 第1種奨学金で、所得連動返還方式を選択した者は減額返還制度は利用できない。
- 猶予期間終了の翌月から返還再開となる
給付型
経済的理由で進学が困難な者に対し、大学等への進学の目的および意思が明確であれば成績だけで判断せず、返済不要で支援が受けられる給付型制度。 学力基準と家計基準(収入・資産)で判定される。
毎年、給付奨学生としての資格審査があり、結果によっては交付が見送られる場合や、交付済み奨学金の返還を求められる場合がある。
給付方法
原則、毎月1回本人の口座に振り込み
給付期間
修行年度の終期まで
併用について
貸与型奨学金との併用は第1種、第2種とも可能。その他の奨学金や支援制度も、実施主体側が制限していなければ併用が可能となっている。
国の高等教育の修学支援新制度(2020.4)
一定の要件を満たした大学、短期大学、高等専門学校(4年5年)、専門学校に通う学生を支援するもので、給付奨学金や授業料減免などが受けられます。
非課税世帯やそれに準ずる世帯が対象で、世帯収入により3段階(第Ⅰ区分:上限いっぱい、第Ⅱ区分:上限の3分の2、第Ⅲ区分:上限の3分の1)となっており、年収目安は兄弟の数や年齢などの世帯構成などでも異なってきます。
成績だけでは判断せず学習意欲なども考慮されます。
教育資金支援制度に関する過去問を解いてみましょう。2019年1月試験 学科 問7
国が日本政策金融公庫を通じて行う「教育一般貸付(国の教育ローン)」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 融資の対象となる学校は、小学校卒業以上の者を対象とする教育施設であり、中学校、高等学校、大学、大学院などのほか、職業能力開発校などの教育施設も含まれる。
- 融資限度額は、原則として学生・生徒1人につき350万円であるが、外国の短期大学・大学・大学院に6カ月以上在籍する資金として利用する場合は500万円となる。
- 公益財団法人教育資金融資保証基金の保証を利用する場合、申込みの際、融資額や返済期間に応じた保証料を一括して支払う必要がある。
- 返済は借入日の翌月または翌々月の返済希望日からの開始となるが、在学期間中は元金の返済を据え置き、利息のみの返済とすることも可能である。
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解答
4
1は高校からなので中学校は入らないです。
2は外国は450万円です。
3は融資する時に差し引かれますので申込時にいりません。
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