信託商品|FP1級Wiki

信託とは、本人(委託者)の意思のもと、財産を受託者(信託銀行等)に信託して(託して)、受益者(本人または第三者)のために管理・運用してもらうことをいう。金銭信託(教育資金贈与信託や遺言代用信託、後見制度支援信託など)の場合、元本保証(元本補填契約)がある場合には、預金保険制度の対象になる。

投資信託も仕組みとしては信託商品と言えます。

       

暦年贈与信託

委託者と受益者間で毎年贈与契約の意思確認が行われ、原則年1回口座送金し、暦年贈与する。贈与税の基礎控除110万円を意識した利用が多いが、それを超える送金も可能である。

遺言代用信託

委託者の生存中は委託者本人(第一受益者)が給付を受け、死亡後にはあらかじめ指定した受取人(第二受益者)に給付を引き継ぐ。 遺言の作成が不要のため遺言の代わりになる信託。

特定贈与信託

特定障害者の生活安定に資することを目的に設定される。受益者に対し定期的に生活費や医療費などを一生涯に渡り給付する信託。委託者の拠出する信託財産は、特別障害者(身体障害者1~2級など)なら6,000万円、特別障害者以外の特定障害者は3,000万円までが贈与税の非課税対象になる。受益者はひとりに限られ、原則、解約や取消はできない。

       

後見制度支援信託

被後見人の生活の安定に資することを目的に設定される。後見人の方をサポートする信託。信託契約の締結、変更、解約等の手続きは家庭裁判所の指示書に基づいて行われる。信託財産は金銭に限られる金銭信託。

教育資金贈与信託

直系卑属に対して教育資金を贈与することを目的にする信託。「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」を利用して教育資金管理契約を締結する。受益者は信託契約を締結する日において、原則30歳未満の者に限られ、受益者1人あたり1,500万円まで贈与税が非課税とされる。委託者の年齢制限はない。

結婚子育て支援信託

直系卑属に対して結婚子育て資金を贈与することを目的にする信託。「直系尊属から結婚子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」を利用して教育資金管理契約を締結する。 受益者は信託契約を締結する日において20歳以上50歳未満の者に限られ、受益者1人当たり1,000万円まで贈与税が非課税とされる。

       

生命保険信託

生命保険信託は、委託者が保険会社と締結した生命保険契約に基づく保険金請求権を信託銀行等に信託し、委託者の相続が開始した際には、信託銀行等が保険金を受け取り、受益者に対してあらかじめ定められた方法により給付する信託である。

特定寄附信託

信託された金銭が運用収益と共に、信託銀行等と契約した公益法人等の中から、委託者が指定した公益法人等に寄附され、公益のために活用されるものです。寄附金控除が受けられ、寄附先の活動状況の確認もできます。

外部リンク:金融庁

       

信託商品に関する過去問を解いてみましょう。2021年5月試験 学科 問17

各種信託商品の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 暦年贈与信託は、あらかじめ委託者と受益者が定期の給付を目的とする贈与契約を締結して設定される信託であり、委託者が拠出する信託財産について、毎年のあらかじめ決められた日に均等額が受益者に給付される。
  2. 特定贈与信託は、特定障害者の生活の安定に資すること等を目的に設定される信託であり、委託者が拠出する信託財産について、受益者が特別障害者の場合は6,000万円、特別障害者以外の特定障害者の場合は3,000万円を限度に贈与税が非課税とされる。
  3. 後見制度支援信託は、被後見人の生活の安定に資すること等を目的に設定される信託であり、信託契約の締結、信託の変更・解約等の手続があらかじめ家庭裁判所が発行する指示書に基づいて行われ、信託財産は金銭に限定されている。
  4. 遺言代用信託は、委託者の生存中は委託者が第一受益者となり、委託者の死亡後は委託者があらかじめ指定した者が第二受益者となる信託であり、第二受益者に対する給付は、一時金のほか、定期的に一定額を給付することも可能である。

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解答

Wiki技能士

あらかじめ贈与契約を締結してしまうと「定期金に関する権利」になってしまいます
(定期年金の受給権利とかといっしょ)。
それだと贈与税の対象になってしまうので、暦年贈与信託は毎年贈与契約を結びます。

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